逃避行って聞くとどうも走って逃げる感じがする。
そんな縛りなんてないのにね。列車使ってもいいんだよ逃避行。
朝おきて、晴れていたから走り出した。運動不足からの逃避行。走れば走るだけ、運動不足は遠ざかる。まさに逃避行。
運動会ではヒーローだったけれど、マラソン大会で空気だった少年時代。ペース配分だけの問題じゃないと気が付いてからは、長距離と言うものを忌み嫌って生きてきた。マラソンなんて、少なくとも僕の周りから消えてなくなってしまえばいいと思ってきた。何が楽しいのよと。苦しいだけじゃないかと。
不思議なもので、嫌いなものを嫌がれば嫌がるほど引き寄せられることが多いらしい。なぜかわが母校北見北斗高校には毎年秋に72キロ走るっている大マラソン大会、強行遠足があった。午前4時に出発して72キロ走って午後4時までに帰って来いとか言うキチガイ行事。辛いだけだった。ランナーズハイってなんですか。
競技を離れて一ヶ月、趣味は110mハードルです!なんて言えないことを知って。これはちょっと運動系の趣味を一個くらい作ろうと。身近にあったのが幸か不幸かジョギングでした。絶対嫌だったのに。走ろうとしている自分がいた。
さて、出発。
靴はあるからね、新たな資源は何もいらないエコな趣味となりそう。趣味になれば。
イエス、我が家。おそらく東京であれば4軒は建つであろう土地だろな。土地の安さなら右に出るものはいない。桜の木が落とした葉っぱに悩まされる今日この頃。
こんな風に写真と共にお送りしようと思っていたんだ、このころはまだ。
しばらく走るともうこんな景色。
北海道半端ねえ。改めて半端ねえ。
実ってたり実ってなかったり、収穫してたり収穫してなかったりするから色が色々。これが空から見ると綺麗なんだほんと。
走ってる道はこんな
歩道なんてありゃしないんだよ。目と鼻の先、いや、耳と腕ふりの脇をトラックたちが行く。怖い。
走り出して30分ほど。代わり映えのない景色の中を突き進む。トラックと一緒に突き進む。
そもそも長距離ダメだってのに30分も進んだらね、へばりもするわ。写真とるなんてこと忘れてるよね。
ふと思い出して撮ったのがこれ
北見の基幹産業たまねぎ。コンテナにぶち込まれて全国にぶっ飛んでいく。こんなコンテナがゴミのように畑中に。
青いシートは全部このたまねぎコンテナ。やけっぱちの収穫。
北見の隣町、端野のご当地キャラ「のんたくん」もたまねぎとジャガイモのごり押しである。JAから金を渡されているに違いない。
この写真を最後に、完全に力尽きた。
何しろ写真とるにもどこもここも同じ景色。畑とたまねぎと私。平松愛理も嫉妬を忘れるレベルである。どこまでも真っ直ぐに伸びている気がする道を好奇心に任せて突き進むのは、ジョギング初心者には無理があった。
のんたくんにあざ笑われながら、軽快の反義語を体で表して帰った家路の途中で僕は、一週間の休養をとることを決めた。