男の一人暮らしは自炊をあまりしないのが定説となっている世の中らしい。
たまに会うおばちゃんとかに自炊してるよって話すとなかなかの勢いで感心される。
料理できる男はもてるわよっ!経済的ねーっ。
あざす。
ただ自炊しているって話はするけどどこまでが自炊なのかってことに久しく疑問を持っている。
自炊。自ら炊く。自炊。
自ら炊くことを自炊というのであればご飯さえ炊いていれば自炊になるのだろうか。ここで辞典とかwikiとかみたら絶対答え載ってるからあえて見ない。
じゃあ仮にだ、自炊を自らお米を炊く行為だとしよう。自炊していますって言って、ご飯は炊いているけどほかの食材は全部スーパーの惣菜コーナーと冷凍食品だったら、これはおばちゃんを大きく裏切る行為になると思う。
少なくともほめてくれたおばちゃんはそういった現状を想定してはいないだろう。
おばちゃんの思う自炊とはどこだ。
ひとつは火の使用だろう。
炒める・煮る・焼く・茹でるなどの行為が食に絡んでくると、一気に自炊してるメーターが上昇する。
料理単体のランクで見ると、一般には
酢豚>もやし炒め
という構図が出来上がっていたとしても、自炊という観点から見て、惣菜の酢豚とおうちのコンロないしIHで炒めたもやし炒めを比べたら
惣菜酢豚<クッキングもやし
になる。
どんな簡単なことでも、火を用いれば自炊と胸張っていえるのだろう。
後もうひとつ考えられるのは素材の加工だ。
今日の夜はレンジでチンした冷凍のスパゲッティでした
これは自炊じゃないと判断されうる。
今日の夜はレンジでチンしたジャガイモをじゃがバターにしてたべました
これは自炊だ。きっとそうだ。
同じレンジでチンという行為したとしても、趣は大きく異なる。
つまり
畑からとれたまま・肉や魚としてパッキングされたままの姿のものを食べられる状態にする。そしてそれをいただく。
この行為が自炊といえるのではないだろうか。
最悪、米なんか炊いていないでも自炊は成立しうるのだ。
かつて、自分は胸を張って自炊していると言っていた。
ご飯プラス惣菜プラス何か一品必ず自宅のIHで作っていた。
陸上やってる上で食生活ってやっぱ大事だべさって信条を胸に、可能な限りバランスのいい食事を心がけてやっていた。これは自負できる。
ただ陸上終わってみて、さて何でも食べていいよーってなったときに、食欲が爆発するかと思ったら先に料理面倒くさいが爆発した。
かつて野菜と肉をたっぷりと入れて焼きうどんを作っていたIHは久しく熱を持つことはなく、最近のトレンドといえば絹ごし豆腐と納豆とキムチと鰹節を完全攪拌したものを焼き海苔に巻いたやつだ。
名をなんとしよう。そうだな、大乱豆でもしようか。
一時期は大乱豆をご飯の上に乗せて大乱豆丼を作っていたのだが、米も遠ざかり今は大乱豆のみとなった。
低コストながら抜群の栄養と味を兼ね備える大乱豆は今の体を形作ってくれている。
しかしおばちゃん、僕は今自炊をしているといっていいのでしょうか。