徒然雑草

踏みつけられるほどに育つ

防寒ハウツー

今週のお題「さむい」

 

-20度の世界で生きている…生きてきた人間です。

本州の人からすると、北海道の防寒対策がスペシャルなものに見えている。確かに、家とか暖房器具に関しては独自の進化を遂げている。間違いない。ほぼ十割の家庭に床暖が搭載され、玄関は二重、窓も二重、近畿には三重でカルテットは四重の上に法隆寺タワーは五重。


しかし、住んでいる人は本州の人となんら変わらない。それは前の記事にも書いたけど。


人の感覚が変わらないなら、外出時はどんな格好をしているのか。本州と同じ格好していたら、本州より20度低い冬を乗り切ることなんてできないだろう。

そんな疑問を抱く方が多いんではないだろうか。


結論から言うと、服装は変わらない。

自分も高校生の頃は、真冬でも、上半身はTシャツの上にワイシャツ、学ラン、ダウンジャケット。下半身はパンツに学ランで学校に通っていた。-10度くらいの中をである。今考えたらとち狂ってる。下半身なんて考えたら半裸だ。股間以外はほぼ外気直当たり。なんでって当時はどうもヒートテック的な防寒着を着ることに変な嫌悪感があって。何故か今よりも薄着で圧倒的寒冷空気の中を毎日歩いていた。

そういえばカーディガンっつーのも着てなかった気がする。うろ覚えだ。とにかく薄着だった。

 

部活とかってどこでやってんのって質問をよくされる。室内でしょ?ね、室内だよね?

期待に応えられなくて申し訳ない限りだが、少なくとも外の競技は冬でも外でやる。寒くないのって?寒いわ。

われわれ陸上部は、ほんとバリバリ外で走っていた。気温なんて関係ない。吹雪じゃなければ外だ。

雪が降ってもすぐ溶ける地域に住んでいる人にはあまり理解されないかも知れないが、北海道において、雪はゴールデンウィーク手前くらいまでは残っているものだ。真冬は雪が踏み固められた地面の上を行ったり来たりする。なまじ暖かい地域の雪のような、ぐしゃぐしゃ地面にはならないのである。

だからこそ走れる。嬉し哀し。逆に暖かくなってきたらぐしゃぐしゃになって走れなくなるジレンマを抱えているのだが。

走っている格好も、秋口とかの格好と基本的には変わらない。寒がる度合いが変わるだけ。にしても本当に寒い。手袋の一つや二つは平気で貫通する寒気だ。走って体の芯は温まっているとはいえ、寒い。

あ、もう指取れるわ…って思うことも多々あった。そんなときに暖を取る方法を思案し続けていた。体の中で一番暖かい部位はどこだ。

行きついた先は臀部だった。おしり。けつ。これは本当に暖かい。もちろん服の上からなんて触ってもどうしようもない。直タッチ。自らのおしりのほっぺを触る。これが指を溶かす。ジンジンしてきたらしばらくは指の血流で暖を保てる。一度けつの熱は奪われたとて、走っているのだ。けつフル活用だ。オーバーヒートせんとばかりにすぐ温まる。永久機関とはこのことか。科学者のロマンは人間の体に詰まっていた。

 

今日は東京がポカポカ日和の12度に対し、わが道東は大荒れまっしぐらな天候のようで。

どこ吹く風な寒中見舞いとして、この記事を捧げたいと思う。