ってバンドが今巷では人気だ。
その昔、世界の終わりって漢字表記時代があり、その当時に友達から聞かされ、あまりに率直かつ価値観の押し売りな歌詞にアレルギーが出てごちそうさましたバンドだ。
しかし何しろ去年は紅白も出場し、カラオケ店では入る部屋入る部屋カタストロフィーが行われている。大人気なことは間違いない。
SEKAI NO OWARIは略してセカオワと呼ばれている。
OZAWA NO KENJIが略してオザケンと呼ばれているのと全く同じ理屈である。
HORIUCHI NO KENがホリケンなのもそう。日本人は語頭の二文字を抽出してつなげることで愛称にすることが好きらしい。なんて浅はか。
逆を考えてみたいなぁと思った。先日ある飲み会でそんな話になった。
「セカオワがSEKAI NO OWARIなら、セメントはSEMEI NO NTORIなのではないのか。」
この議題でしばらく時間を潰した。
固定観念にとらわれるのはやっぱりよくない。一方通行の考え方しかしていなかったら、頭も固くなる。考え方を変えることが大事っていうのは、映画ベイマックスで主人公ヒロが何度も言っていたことだ。
この、セカオワ逆輸入の面白いところは、字面ではない。発音したときに最も威力を発揮する。
セメイのントリ
セメイのントリ
ントリってなんなのだろうか。アフリカの何処かの部族長かなにかか。
これに面白さを見いだせない人は今日の言葉遊びには合わないので、苦しみながら読んでみるか、諦めるならそれでもかまいません。
制服 せいふく
SEII NO FUKURI セイイのフクリ
一見意味のない単語が再び産み落とされたかと思うだろう。そうではない。そうではない。
誠意の福利
なんかありがたい言葉の羅列だ。しかしよく考えてみれば意味はよくわからなかった。
セグウェイ せぐうぇい
SEGUI NO WEIRI セグイのウェイリ
これも飲み会で出た。ウェイリ。ウェイリ。トリリの時は二つのrという文字が発音のしやすさを補助してくれていたが、今回は母音i単身での登場である。非常に言いにくい。ウィイリの言いにくさに気を取られていると、前半部分のセグイにやられる。地味に言いづらい。
先輩 せんぱい
SENNI NO PAIRI センイのパイリ
センイは繊維だろうなぁ。きっと。しかしその納得を「パイリ」のソフトな卑猥さが華麗にぶち壊してくれる。パイルドライバーなんてプロレスの技がある。あれもパイリドライバーだったらあんなむごたらしい技にならなかったのではないか。
石鹸 せっけん
SEtI NO KENRI セッイのケンリ
セッイってどう英語表記したらいいのかわからなくて困る。便宜上なんとなく字面だけでも詰まってる感が出るように小文字表記でSEtIと表させてもらう。Setでセッって言うじゃん。別にいいよねきっと。
瀬戸際 せとぎわ
SETOI NO GIWARI セトリのギワリ
セトリはセットリストの訳語としてよく見る。ギワリは見ない。ギワリという言葉が登場したのは有史以来今ここが初めてなのではないか。なーんてそのうちに福本信行あたりの擬音語としてつかわれる気はする。著作権取ってしまいたい。
以上で「セ」に次ぐ母音をざっとコンプリートしたことになる。
セカイ SEKAI
セイイ SEII
セグイ SEGUI
セメイ SEMEI
セトイ SETOI
セッイ SEtI
センイ SENNI
見事に世界と誠意を残して意味の通らない単語が並んだ。しかし、意味なんて求めていないのだ。何しろ、SEKAI NO OWARIの曲ないし、昨今の曲は何かに意味を求めようとしすぎる。生きる意味然り、恋の意味愛の意味然り。もうよくねーか。各々そういうのは自己解決してみようぜ。意味のないことや無駄こそが、人生を豊かにすると信じている。
グウェリグウェリ
ライブ云々のそれは、また後日。
書き溜めでお送りしました。