道産子。
北海道で産まれた子と書いて道産子。間違いなく道産子である。僕にしろ、僕の親父にしろ。なんなら祖母もそうだ。道産子だ。
しかし、本来北海道にはアイヌという先住民がいた。オーストラリアのアボリジニ然り。彼らは彼らで今も確かに息づいている。ただ現在の道産子で大多数を占めるのは、明治あたりの時代に北海道に夢を見て本州を飛び出した者たちの子孫。本当の意味での道産子はそう多くいたもんじゃない。
僕の家もそうだという話は以前から聞いていた。どうやら祖父方が滋賀、祖母方が淡路島から北海道に渡ってきたらしい。もろ関西人である。道産子の仮面をした関西人である。なるほど自分の舌の無駄な回り具合のルーツがそこにあったか。
以前、バイト代をどうするかみたいな宣言をした。
旅に出るといった。
僕は今回、この旅を自分のルーツを探す旅と位置付けたいと思う。自分の祖父や祖母のそのまた親がどんなところで育ち、どうして北海道にやってきたのか。知りたい。
普通にしていたらそんなに気にならないことなのかもしれない。が、僕には探さなければいけない理由がある。中学生のころからずっと抱いていた疑問があるのだ。
身長が184㎝ある。これまで背の順で最後列付近を譲ったことがない。すくすくと育ってきた。しかしだ。父と母は大きくはない。168㎝と156㎝。そんなもんだ。どちらの家の叔父も叔母も、大きい人なんてどこにも見当たらない。なのに、184の末裔が生まれてしまっている。
遺伝的に考えて、比較的おかしいと思うわけだ。
栄養が良かった、よく寝た、様々なファクターを考慮しても、一族初の170センチ台を突破して180㎝の真ん中まで突き抜けたこの身長の訳が、どこかに隠れているに違いない。
そういうわけで、自分のルーツにものすごく興味がある。
滋賀のどこかに、淡路島のどこかに、自分と鼻の形とかがちょっと似ている178㎝くらいの親戚の叔父さんがいたりするのではないか。疑問を解くきっかけになってくれるのではないか。
もし長身の誰かがいなかったとしても、祖父の生家を見ることはきっと人生の中で有意義な時間になると思う。年賀状づきあいでもできればいいんじゃないかなって思っていたりもする。
自分のルーツをを辿る旅。2月21日にスタート予定です。
本当はブログとか旅どころの話ではない。慌ただしさが押し寄せる、そんな昼下がり。
遠い場所のはるか昔に思いを馳せてから、勢いよく現実に向かおうと思う。