徒然雑草

踏みつけられるほどに育つ

イッツアビック中四国

名古屋、神戸と、名高い大都会をなぞってきた。出発点も東京だ。クリスタルキングの声も裏返るレベルの都会。あぁ、果てしない。

たどり着いた先の鳥取は、飛ぶ鳥を落とす勢いで田舎だった。心休まるのだな。

これまでは都会から田舎になり、田舎が都会になって目的地だったがしかし、今回は違った。都会が田舎になり、上下左右がわからなくなるほどの暗闇に突っ込んで、そのまま到着した。ぼーっとしていたら宇宙に放り出されたかと思った。ちょっと大げさです。県民のみなさんごめんなさい。

友人の家に泊まる。半年前を冷凍保存したようななんでもない空気感のもと、なんでもなく寝不足になる程度の時間に寝た。


朝は早かった。何しろ大移動の日にする予定だからだ。砂丘に行き、出雲大社をみてから尾道でラーメンを食べ、愛媛まで乗り込んで道後温泉に入る。ライディング友人の車。

もうね、感謝してもしきれない。持つべきは友である。プライスレス甚だしい。


午前9時の砂丘。人影少ない砂丘は思ったよりずっと砂丘だった。角度によりけりでは果てしなさもそこそこに味わえる。ちょっと首を伸ばせば海が見えてしまう浅はかさも安心感を与えてくれて良し。今度は夏に来たいものです。浜風さみぃ。

ライディング友人の車

一路3時間かけて出雲大社へ。

大国主が祀られる神社。縁結びのパワースポットかつ全日本神サミットの会場としても有名だ。つまり思い出の熱田神宮の神様も年一でここに来ていることになる。どんな大きな神社かと思えば、敷地自体はそこまで大きくない神社だった。熱田神宮と変わらないくらい。だがよ、本殿。これは特別だった。霊的なものは何も感じない幸せ鈍感人間だが、やっぱり何かあるんだろうなと思わさせてくれるに十分の社。写真に撮るにもおこがましい。こんなこと熱田のときも書いたかもしれないが。伊達に神の社ではない。神がいようといまいと、神じゃないものが宿っている。違いない。

さらに出雲はそばが名高いらしかった。大社の参道にはたくさんの蕎麦屋が軒を連ねる。どこ入ってもいいのだけれど、どうせなら混んでるところ。「えにし」混んでた。入店。薬味で風味を変えながら楽しむ出雲そばだが、そもそものそばが美味い。そりゃなにしても美味いわな。帰りがけ。おばちゃんにまた来てねって言われた。また来るよって言ったけど、引力はそこまで強いだろうかな。縁結びの神のもとのえにしだ。きっと結びつけられる力がある。なぁおばちゃん。

ライディング友人の車

二路尾道へ。

尾道ラーメンの噂は常々聞いていた。広島の知人も一押しの尾道ラーメン。どのような代物かはよくわかってはいないが、中華の域を抜け、日本人のソウルフードになりつつあるラーメンが口に合わないはずがない。友人のiPhoneサーチ一発でトップオブ尾道ラーメンを突き止め、向かう。

食べてばかりだと思うだろう。そうではない。ロングドライブだ。友人には多大な負担をかけている。ありがとうが蟻が十匹なら、六十匹くらいの蟻を献上したいくらい。もう、ありがとう。

さて尾道ラーメン。背脂とスープが絶妙に絡まる一品。麺は中華麺よりも少し平べったいもので、独特の食感だった。何より豚骨文化に侵された東京から離れて、こんなに美味しい醤油ベースのラーメンが食べられることに心より喜びを感じる。

感謝の気持ちで餃子を奢った。

ライディング友人の車

三路道後温泉へ。

車は瀬戸内の島々の上を進む。夜の闇に紛れて、橋の灯りを頼りに進む。何処かのテーマパークに紛れ込んだような海上空中散歩を楽しんだ。人生初めての四国の地を踏む。イッツアスモールワールドとか言っても地球はでかいし、日本もでかい。一生北海道からでないで終わる人も一定数いる中、本州四国九州と巡れていることになんとも言えない感慨があったりなかったり。


隣で友人がいるのにパタパタスマホをいじり続けるのはよろしくないな。

道後を楽しみます。疲れを癒します。あ、本当に疲れてるのはドライバーだった。