徒然雑草

踏みつけられるほどに育つ

巡り合わせを信じてる

事実は小説なぞよりもずーっと不思議なもので、なんであなたとそこで出会いますかねってくらいの出会いがある。またそれがその時はわからなくても後になって気付く場合も多くて、どうやら我々は勝手に生きて、知らずに伏線を張り巡らせているらしい。伏線って線が実際に見えたとしたらもう世の中線だらけだろう。今電車で隣に座ってるお兄さんが実は僕のひいじいちゃんの弟の家からでた人で、たまたま一緒山手線に揺られちゃってるなんてことも十分考えられる。話しかけないだけで。今渋谷で降りて行っちゃったけど。

二十年ちょっとの、後光がひと擦り切れもしない人生のなかでも、幾つかサプライズ伏線回収劇がある。

紹介したい。


小学一年生のころ、ど近所のアパートに住んでいたりょう君って男の子がいた。ゲーム上手くて、バンジョーとカズーイの大冒険のことならなんでも知ってた。今考えたら偏りまくった知識だわな。りょう君とはそれこそ毎日遊ぶくらいの仲の良さで、ずっとこのまま大きくなって行くもんだと思ってた。けど、その秋にりょう君が突然転校することになる。道内の転校だったんだけれど、りょう君が転校するところは東京と名古屋くらいには離れた場所で、まるっきり会うことはなくなった。年賀状だけで繋がっていた。いつか会おうねーみたいな話はするけどなんの具体性も持たないあの感じ。一生会わないコースだと思ってたのだがしかし。

高校2年の秋、ばったり会った。街中でおう!とか、そう言うんじゃなく、たまたまお互い陸上部に入って、たまたま同じ種目をやってて、たまたま同じ大会にでていた。

まぁ、新人戦で会ったから、陸上やってりゃ会うのは不思議じゃないんだけど、よくお互いなんの干渉もないなかで同じ部活の同じ種目を選んだねと。何かの縁を感じずにはいられなかったやな。


まだまだある。


本意にしていた北海道の山中にある温泉旅館の息子さんと、たまたま入った東京の居酒屋で素性を知らずに仲良くなって、話をして行くうちにあらびっくりな件とか。

これはなかなかにドラマティックな出会いだったのだけれどスマートフォンで書いている現在の劣悪な執筆環境からして詳細の描写は面倒だからやめた。



どこで別れた人がどんな風に関わってくるのかなんてわからないんだ人生。たくさん自分って存在の種を撒きまくって、何処かでそれが芽吹くことを願いつつ別れたり出会ったりすることで、人生を面白くしていける。そんな気がする。

お前なんか宇宙の果てのすげー寒い星とかにぶっ飛んで凍えて居なくなれって思うやつとも付き合ってれば何かの縁を運んでくれるかもしれない。くれないかもしれない。くれたらいいし、くれなかったら別にそれでもいい。

就職カウントダウンが刻々と極まっているなかで、懸命にこれから働く意味と出会うであろう人たちへの不安と申し訳程度の期待が蠢きまくっている。そわそわする車内。明明後日から頑張ります。