徒然雑草

踏みつけられるほどに育つ

正義の味方にはなれない

ヒーローたちは須らく地球を救う。危機を救う。人知れず闘って人知れず救う。ドラゴンボールが最たるものだ。全世界を、全宇宙を巻き込んでいるようで、誰も関与していない。孫悟空一行は、誰も関与できない所で戦って、地球を守っている。今、日曜日の朝にドラゴンボールが放送されていて、ちょうどクライマックスに差し掛かっている。最後の最後、悟空の奥義の元気玉魔人ブウを倒す。元気玉という技の特性上、地球のみなから元気(生命エネルギー)を分けてもらわなければならず、何とか力を貸してもらおうとするが、誰も力を貸そうとしない。そんなシーンがある。

なんとか、悟空一行と共に戦っていたというか、その場に居合わせた、地球人のヒーローであるミスターサタンと言う男(地球界の格闘技のチャンピオン)が力を貸すように叫び、地球人が動く。元気玉がブウを蹴散らす。

つまり、本当のヒーローはどこまでも孤独で、どこまでも表に出ない存在なのだ。もしかしたらこんなにのうのうとキーボードを叩いている間にとんでもない怪物と戦っている人がいるかもしれない。途轍もなくつらい思いをしながら誰かを守っている人は、少なくとも必ずいる。しかし守られている人が守られていると気が付いているとは限らない。それは僕かもしれないし、あなたかもしれないし、誰かである。

 

そんな風にはきっとなれない。日陰での誰も知りえない奮闘を、誰も知りえない苦痛を、どれだけ良しとして甘んじられるだろうか。地球規模なんかじゃない、もっともっと小さな規模で馬鹿を見ることがどこまでできるだろうか。わからない。想像もできない。

自分為だけじゃない努力は少し前までずっとしてきた。自分のためじゃないと思わなければできない努力はたくさんあった。でも、完全に自分に利がないわけではなかった。自分のための努力を、人のためと気負ってやっていた。じゃなければ折れてしまっていた。

そうじゃない、発信点が他人の努力。正義の味方の必要十分条件

なれないわ。いまはとてもじゃないけど。なれない。