徒然雑草

踏みつけられるほどに育つ

いきものがかりのライブで思ったこと

いきものがかりのライブに行ってきた。横浜アリーナ音楽は好きだけれども、ライブにはそう頻繁にいかないので、初のアリーナライブ。
特別いきものがかりに懸けているわけじゃない。今回もこの上なくお世話になった先輩に、ものの見事に誘い出されての参戦。
といっても何も知らないまっさらではなく、有名どころと、最新アルバムを多少予習したお陰で、結果から言うとものすごく楽しめた。
初めていきものがかりを見る人にとっても、とても優しいライブだった。

優しいライブだからこその光景があった。
ライブに来ている年齢層が広い。ちびっ子からおじいちゃんまでもれなくいる。バンドのライブではなかなか見ない光景だろう。
そうした幅広いファンを持ついきものがかりだから、優しいライブをしなければならない使命もあるのだろうし、優しい曲を書いているからどんな層の人間も好きになれるのだろう。
曲を聴いてライブをみて、改めて確認したのが、彼らの楽曲のトゲのなさとわかりやすさだ。
難解な比喩も用いないし、社会に猛烈に問題を投げかけるようなこともしない。AメロBメロサビといった分かり易い曲展開に乗せて、分かり易いテーマをキャッチーなメロディーで歌う。ボーカルの聖恵さんの声も変な特徴はない。それでいてうまい。アイドル全盛のJPOPの真っ只中、本当にPOPしているバンドだった。
戦争がどうだ、資本主義がどうだと言っているバンドマンたちと比べると、刺激が足りなかったりする。カリスマ性もないかもしれない。
けど彼らは現代日本の最大公約数の音楽をしている。フォークや歌謡曲を聴いた世代も、ピコピコ音楽を聴いた世代も、若者も、全ての世代がわかる気持ちを嫌味のない音楽とともに提供している。強烈な個性がないことが強烈な個性となっている。
王道のPOPを見た気がした。似たようなメロディーがちょっと多くたって、気にならなかった。
分かり易さとはなにか、考えてみる気になった夜でした。