彼らの曲も大概好きだ。andymori。ボーカルの小山田壮太郎がなにを思ったか橋からダイブして大怪我を負った結果、解散ライブが延期になるという伝説を残してくれたスーパーバンド。好きだった。
夏といえばなバンドはたくさんある。古くはサザン。チューブ。プリプリとかは違うのか。わからんが。オレンジレンジ。湘南之風。夏!夏!夏!夏歌を作り、夏フェスを巡る彼ら彼女ら。
andymoriがその部類に入るかは定かじゃない。わかりやすい夏を叫ぶことをあまりしないバンドである。
しかし、音像というか、醸し出す雰囲気は圧倒的に夏だ。先にあげたバンドたちは夏の海や灼熱を歌うが、あんでぃもりは夏の夕暮れを奏でる。まだ風が爽やかな頃の夏の空を歌う。
スリーピースバンドである。それも、中期から後期にかけてのレミオロメンのようなごてごてキラキラアレンジをするスリーピースではなく、限りなく三人の音だけで音楽してやるぜ系スリーピースバンド。ギターも極力エフェクターを使わない方針なのか、ギターとアンプで出せるだけのクランチと、ディレイくらいでしか音を飾っていない。心地よい歪みかたが夏を思わせる。
作る曲は非常に牧歌的だ。フォークやGSの魂がきっと小山田さんの心には入っているはずで、言葉数の多さは拓郎のそれを感じるし、たまにどストレートなラブソングを書いてくるあたりGSバンドの雰囲気を感じる。
かといって古臭くはない。不思議である。ノスタルジックの瀬戸際を歩いている。
ハッピーエンドという歌が好きだ。
僕らのこの日々を誰かに わかってもらおうなんて思わないけど
本当に真っ直ぐに歩くなら あのカーブでみんなとも離れ離れ
雨が降れば鍵をかけていいよ
誰にも知られないまま終わりになっても
それでハッピーエンドなんだ ハッピーエンドなのさ
本当に歌いたい歌 君には歌って欲しい
これほどまでの無条件の受容があるか。わかってもらえず、少しでも一緒に歩いた誰かと別れて、その先でひっそり終わっても、それがハッピーエンド。本当に歌いたい歌を、本当にやりたいことを、君には歌って欲しい。していて欲しい。道半ばで潰えたとて、それがハッピーエンド。
この歌詞がスーパー爽やか青空メロディに乗る。壮太郎氏の癖のない声に乗る。切ない何かで背中を押されてしまう。どうしろと。泣けと。
ここ会社と家の2往復分くらいお世話になっているandymoriについてでした。正直、終わらないでいいハッピーを享受し続けたい。でもいつか終わる切なさも嫌いじゃない。どっちみちどっちでもいいんだ。それでハッピーエンドなんだぁー。