徒然雑草

踏みつけられるほどに育つ

容体は悪化しているが出勤するんだ。今日も元気に働くんだ。そうなんだ。

やはり、どうやらこれっぽっちも身体は強くないらしい。昨日一日、おそらく強者ではないであろう風邪菌に華麗なアッパーを見舞われ、喉元から頭、ひいては節々が痛むバットデイを過ごしていた。

風邪は苦しい。大人になってから風邪をあまりひかなくなったわーっていう人達に思い出させてやりたい。風邪は苦しい。

喉が腫れ、鼻が詰まり、頭が痛くて体がだるい。水がのみたい、トイレに行きたいという欲求が遥か小さく見えるほどの、圧倒的倦怠感だ。新婚さんや、出来たてのカップルが、3ヶ月やら3年で倦怠期を迎えるなんて話があるが、その時期にお互いがっつり風邪でもひけば倦怠期の倦怠感なんて風邪のそれに比べればちっぽけ極まりないものだと気づくだろう。円満だ。よかったね。

しかし世の中の幸せを考えるような暇はない。余裕なんて正直ない。現在出勤中の車内でこの記事を打っているが、今日も笑顔で一日いられるかわからない。なにしろ汗が止まらない。自宅から駅までやや徒歩10分。普段ならさらっとスマートにウォーキングしているはずの道を、今日はサウナスーツでも着てんのかってほどの発汗とともに牛歩した。

したたる汗、湧き上がる生唾。飲み込むと痛む喉。これから本当に仕事に向かうのか。ワークなんてよく言ったものだ。ワクワクは期待に胸を躍らせる擬音語だろう。ただひたすらにゾクゾクしている現状からして、ワーク出来そうもない。かといってゾークってなんなのかもわからない。頭が働かない。


辛い時こそ笑顔。疲れた時こそ顔をあげろ。青春を描くスポ根漫画定番のセリフを思い出して顔を上げる。車内を見渡す。

サラリーマンが多い。襟がくたびれていますね。ネクタイがよれていますね。疲れているんですか。そうですか。

誰とも目は合わないが、心は通っている気がする。この狭くて広い車内の中、自分以上に体調が芳しくない人もきっといるはずだ。ネクタイが語っている。襟元が叫んでいる。

ね、今日も頑張ろう。金曜だよ。今日頑張れば、みんな、明日は休みだ。家族のため、自分のため、負けるなサラリーマン。

ちなみに僕は明日も仕事だ。

頑張れない気がしてきた。