徒然雑草

踏みつけられるほどに育つ

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屋上に憧れて

ジャンプにおけるラブコメ漫画の中で、確実に五本の指に入るであろう作品、いちご100%。小学生のころなんとも言えない申し訳なさを抱きながら読んでいた。

あの漫画の第一話は、主人公の真中が学校の屋上に登る描写から始まる。

屋上へと続く階段を登り、扉を開けた瞬間に、ドアの上からいちごのパンツを履いた美少女がスカートめくれたまんまで落ちてくる。美少女は逃げてしまう。あの子は誰なんだ。なんだったんだ。そこからおよそ5年ほどの連載の中で、東西南北を苗字に関した四人の女の子と真中の恋模様が展開されて行く。


そう。屋上である。

屋上に憧れる。ベランダもいいなと思うけど、屋上はもっといいなと思う。青春漫画、青春ラブコメに屋上はつきものだ。屋上の描写がないその手の漫画は無いんじゃないか。少女漫画も少年漫画も、必ず屋上が絡む。

学校という閉鎖的な空間に併設された、この上なく開放的な空間。校舎に孕んだ校舎自体へのアンチテーゼ。屋上で放課後にコーヒー牛乳とか飲みながら友達とわいわいする青春を10年くらい前に想像していた。実際のところは、屋上の遥か下のグラウンドで走り回って這いつくばる日々が続いたのだが。

そもそも、屋上に登れなかった。禁止だった。中高ともに、屋上を開放する文化がなかった。吹奏楽部とか、是非とも屋上で練習して欲しかったりしたのだが、彼ら彼女らが練習したのは音楽室や空き教室でしかなかった。

屋上がない思春期は、屋上のある思春期と比べて劣るんじゃなかろうか。まぁ、どうせ屋上が開放されていたとして、いわゆるリア充イケイケの連中が占拠して、我々のようなイケてもいなければ壊滅的にイケてなくもないような中道思春期マン達には縁遠い場所だっただろう。だとしても、憧れは尽きないし、開放されてさえいれば何かインシデントが起こる可能性だってあったろう。


将来建てることになるかもしれない自宅には、ぜひ屋上ないしベランダを作りたい。北海道で建てるなら積雪で屋上なんて出来たもんじゃないから、ベランダでいい。

今日みたいな、今日みたいな穏やかな日にベランダでアコギ弾きたい。生産性がなくてもいい。ただ、ちゃかちゃかやりたい。

休日だってのに謎の早起きをして、コーヒー淹れて、なんだかやっと昇ってきたような太陽を眺めながら、特に誰の曲と言うわけでもない曲をぽろぽろ弾いてたい。ベランダで。気づいたら寝てて、それでも朝って呼べるような時間に起きてまたぽろぽろしながら覚悟決めて支度するみたいな、一日を過ごせれば人生ハッピーだ。


ゆるーく外界と内界、パブリックとプライベートが交わる空間がいいんだろうな。そこで至極内界的もしくはプライベートな活動をすることによる若干の背徳感が、有意義を演出してくれる。

どの程度のレベルで叶うかはわからないが、自分の子供達がそのうち出現するとしたら、ベランダのある家から屋上のある学校に通わせてやりたい。切に願う。