徒然雑草

踏みつけられるほどに育つ

ハロウィン

知らんがみんな楽しそうだ。仮装していない身がきゅうきゅうしている。今すぐスーツを脱いでパンイチになったところで、今日だったら大目に見てくれるんだろうな。
全国的にというか、都会の一部だが、随分ありえない格好でほっつき回っている方々がたくさんいらっしゃる。昨日か明日かだったら通報待ったなしの輩がのさばりたまっている。
その昔、バレンタインなんてなんでもない1日だったと言う。チョコの交換が始まったのなんてつい最近なのよー。とつぶやくおばちゃんによく出会う。
きっとハロウィンだってそうだ。いま、目下歴史が作られている。誰に踊らされてか、自発的に踊ってかは知らないが、不思議な格好をすることこそがスタンダードになりつつある。この先のはるかな後輩たちに、ハロウィンなんてめっちゃ地味な催しだったのにねぇ…なんて話をするおじちゃんになる未来が、ありありと見えてしまう。
8月に山の日ができるという。休日がまた増える。この先もこの調子で休日とイベントが増えていくのだろうか。休みたいし、遊びたい。怠惰と遊戯への欲望は尽きない。
果たしてこの皺はどこに寄るんだ。社会に出て、なんとなく知ってしまった、世の中のルール。どこにもそこにも仕事が転がり、あらゆる会社が携わっている事実。隣に座っているかぼちゃ頭に幅寄せられて傾いたこの身体のように、休みの度、イベントの度に、傾いている部分が確実にある。
あぁ、んなことを考えているのも馬鹿らしくなるほど、車内はフワフワムードで満ちている。なぁ、僕の正面で口が裂けるほどに口角が上がっている貴方よ。もう貴方がその笑顔をこの先も続けていけるのなら、それでいい気がしてきたよ。どうか、明日になったら消えてしまうような笑顔ではありませんように。水で流して消えてしまうような笑顔ではありませんように。