徒然雑草

踏みつけられるほどに育つ

暇人 there is no heaven

暇はあらゆるものを飲み込んでいく。暇こそが人間の楽しみでもあり、人間を滅ぼしていく。

SMAPの解散騒動がものすごいことになっている。SMAPxSMAPの生会見が見事に油となり、引火引火のインカ帝国である。面白いことは言っていない。

SMAPが解散したらそりゃ悲しい。何日か前にブログで綴った通りだ。僕くらいの年齢の人のテレビ人生において、空気のように太陽のように存在し続けたSMAPだ。寂しくもなる。

しかしまぁこうまで騒がれるのですね。ちょっと引いちゃうくらいの騒がれ方である。ヤフーニュースの下の方にはSMAPのためのスペースと化したトピック欄があり、ワイドショーではスポーツ新聞一面の精読をし、心理学者は心理学的に会見映像を分析する。そして、食い入るように見る僕ら庶民。

全く僕らには関係ないことっちゃ関係ないことに対する熱量が凄い。

祖母が寝たきりになったとき、自分の体に対して凄く神経が繊細になったと聞いている。食事、排泄、睡眠。全てが円滑にできているかが不安になったり、痛みや不快に対しても抜群のセンサーが働いていたと。

それをみて、暇だからだって言ってた父だったか叔父を思い出す。暇だから余計なことに目が向くし気が行くんだと。

 

世の中が暇なのだ。だからSMAPに一喜一憂する。ベッキーをゲスの極みのような乙女だと罵る。確かにタレントに依存して飯を食っている人は沢山いる。タレント自身が産業になっているからして、我がことのように思わざるをえない人々もいる。けれど、大半は安全地帯から可燃物を放り投げているだけに過ぎない。ワインレッドの血を流す渦中の人間に興味が止まらないのだ。

暇の矛先は別に芸能界だけに向かうわけでもなく、身の回りの誰かにも向けられる。つまり、明日は我が身なわけだ。

自分がやられて嫌なことを人にはしない。人間社会の基本ではないだろうか。暇はベーシック倫理観すらも奪っていくのか。

今日もSMAPが文面で踊る。ミスターTPP甘利氏も、ずさんななにやらを働いていたらしい。余りにも酷い。なんつって。

さてはて。世の中の暇の被害者たちのらいおんハートを癒す薬箱は今どこにあるのでしょうね。