徒然雑草

踏みつけられるほどに育つ

必然のしもやけと冷え性

しもやけによくなる体質だ。指先に代表される末端が冷える季節、家に入って暖をとるたびにかゆーくなって腫れ上がる。

北国生まれのうすーい知識として、寒さで悪くなった血行が突然よくなるとしもやけになると聞いている。するとまぁつまり、血行が悪くなりがちな質らしい。あまり嬉しくはないが。

冷え性なんて性もある。末端冷え性とかいうのもあったり。末端じゃない冷え性があまり想像つかないのだがしかし。

我が実家の北見は毎期−20度を下回るで有名なユートピアである。高校まで北見にいた。部活は陸上。冬場なにしてんのって、外を走るに決まっている。−10度の空気の中、雪上氷上を駆け抜ける。なんやかんや全力疾走を繰り返すから身体はポカポカするのだが、芯だけの話であって、指先足先に代表される末端は暖を忘れる。存在すらも怪しいほどに鳴りをひそめる。

そんな環境からして、冷え性ってなによって思うわけだ。寒さも一定の地点を超えたらみんな冷え性なんじゃないのと。あの厳寒の中で腕をブンブン振りながらダッシュを繰り返して、指先が冷えない人なんているのと。


ギリギリまで絞りに絞った毛細血管を、お湯で温めて拡張するあの瞬間。しもやけの歯痒さなんて忘れてしまうほどに気持ちよさがある。

体質なんて越えたその先、必然のしもやけに想いを馳せる厳寒もどきの東京の夜であった。