葉っぱも何もついていない公園の木々が今にも引っこ抜かれそうな朝。風をいなせているのか不明なほどに頭を垂れている朝。屋根が付いているはずのベランダにはなぜかダイレクトに雨水が降ってきて、普段は悠然と建っているはずのスカイツリーは雲隠れしている。
イエス、暴風雨。
ボウフウハロウケイホウが、暴風波浪警報と結びついたのはいつごろだったろう。波浪なんておどろおどろしい文字が、キティちゃんの枕詞と同じ発音だなんて、これは日本語の欠点だろう。
その響きのおかげで、なんとなく楽しく思えていた幼き頃の嵐。大人になって陸上を始めて、悪天候はめっぽう嫌いになった。そしてアクティブから離れた今。なんだろう、すっごくワクワクしています。ガラス一枚隔てた外が荒れている。裏の公園の木々がヘッドバンキングしている。僕も踊らなきゃ。踊らなきゃ!
ペトロールズ 雨
ミスター横ノリ。雨だしね。事変のギタリストでおなじみの浮雲さんがフロントマンのバンド。この感性をまるごといただけるのであれば、身長が30センチ縮んでも構わない。後半へかけての上がり方は木々の揺れ方となんとなくシンクロしていく。
最後の「ありがとう」があまりにもメロウでたまらない。
daoko 水星
そもそもがtofubeatsの曲なんだよね、これは。daokoがカバーしたって解釈でいいのだろうか。時系列はよくわからない。
ミラーボールに乗ってどっか行っちゃおうソング。「水星にでも旅に出ようか」って水星がすごく近しい感覚を何の違和感もなく感じさせる音像に乾杯。やはり横ノリ。雨の日だしね、水星もいいじゃないか。
nobodyknows+ アンダーレイン
ココロオドルだけが彼らの曲じゃない。
ぎりぎり商業ベースに乗っていたころのNobody knowsの一曲。Somebody knowsくらいなものだろうか。ペトロールズ・daoko(tofubeats)ときて、お前等か感は否めないが。まぁ雨だし。いいじゃないか。
サビのリズムの食い方が何とも心地よい。ボーカルが多少主張激しくても全然気にならない。気にしない。努めて気にしないようにする。
水曜日のカンパネラ モノポリー
水と言えば、ここの所よく出る彼女は無視できない。ダンスビートがずんずんなってる。踊れとの催促が凄いキックの音。
コムアイさんが作詞しているのか知らないが、日本語の響きをここまで上手く使いこなしている人も滅多にいない。訳は分からないし、どこがどういいかを説明しろと言われても非常に窮するのだが、聞けてしまう。踊らされてしまう。
チャットモンチー 湯気
趣向を変えて縦ノリ。
何が雨って雨降りですから。聴いたらわかります。ギターは割とじゃかじゃかやっているだけなのにグルーヴグルーヴしているのはドラムのおかげでしょうか。とっても乗れる。
とりあえずは5曲。とっ散らかったウォークマンをひっくり返してみた。
雨だろうと風だろうと、時は無常で、今日は日曜日で、二進も三進も行かずとも月曜日の日の出が近づく。
どうせなら楽しく一日を過ごしたい。ささやかな抵抗を見せたい朝でした。