徒然雑草

踏みつけられるほどに育つ

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18年間住んだ北見を思う

今週のお題「好きな街」

 

北海道北見市に生まれ育つこと18年。その後東京に出てきた。 

北海道産  玉ねぎ 2Lサイズ 20kg

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東京には何でもある。全くもって、なんでもある。何にもない場所でも、電車に乗ってちょろっと出掛ければ、何でもある街に出られる。

東京に出てきてから、二つの町に住んだ。仙川と錦糸町。

仙川は閑静な住宅街とそこそこの商店街、ショッピングセンターが上手く調和した街で、世田谷・調布の町並みのイメージ通りの環境だった。

就職に際し錦糸町に越してきたが、やはり世田谷方面とは全く趣が異なる街で、スモールライトを当てられた歌舞伎町のような場所だった。会社帰りのお疲れのところに、「お兄さん、おっぱい、どうですか?」なんて訊かれるもんだから足早に繁華街からグッバイする。

錦糸町は錦糸町自体である程度何でもそろう街だ。マルイもあれば駅ビルもある。ORINASなんてショッピングモールもある。仙川にしたって、新宿まで電車一本で20分。渋谷までは一回乗り換えで20分。コナンや犬夜叉を見る間もなく大都会に出られてしまう。

東京が便利というのであれば、北見は不便に属するのかもしれない。東京をハードディスクつきの4Kテレビだとすれば、北見はいいとこテレビデオ程度なものだ。言いすぎか。

世に想像するオホーツクの景色とは裏腹に、北見もそこそこには人がおり、そこそこな郊外の町を演じている。人口は12万人ほど。香川県に匹敵する面積を考えると少ないのかもしれない。しかし大半が山だと思えば健闘を認めたい。町並みもイオンを筆頭に、イトーヨーカドー、コープ。地場スーパーもあるからして買い物の選択肢は豊富だ。家電屋さんもヤマダ電機、ケーズ電気、100満ボルトがある。車社会だから駅という概念では話しようがないが、どこも車で20分圏内だ。

しかし、やはり町としてはどんどん収縮していっているのが現状だろう。典型的な地方の問題を抱えているのだと思う。

かつて駅前には東急百貨店があり、北見のシンボルとして輝いていたが、数年前に撤退した。空きビルは仮の市庁舎となり、当然ながら百貨店のない町となった。東急の斜向かいにあったHOWといった商業施設も20年前に無くなり、その隣にあったラルズという地場スーパーも取り壊されていまだ空き地のままだ。どうやらルートインが建つらしい。

図書館の新設や温水プールの移転など、行政施設の頑張りが最近目立つので明るい未来が広がっているかなぁと思うところもあるが、一般企業の北見支社が撤退していっている現実を見ると、なかなか厳しいというのが本当のところだろう。

 

田舎から出てきた者同士で話すと、田舎に帰るかどうするかという話に必ずなる。田舎に抱いている感情は十人十色で、大好きなやつは大学卒業と共に田舎に帰るし、比較的ドライなやつは東京で働く道を選んでいる。

かくいう僕も東京で働いている。

でも好きな街はどこですかといわれると、恐る恐る北見を推す。

ふるさとは遠きにありて思うものと室生犀星が言っているが、恐らく間違いないだろう。故郷を離れなければ、故郷は故郷にならない。その良さも悪さもわからない。

両親をはじめとした親族がいて、墓があって、菩提寺がある。曽祖父が選んで腰を落ち着かせた土地というのは、彼が望んだかどうかは別として、後世まで、少なくとも曾孫に至るまで、安心感と使命感を抱かせるに十分な場所だ。利便性や自然の恵み、家業等々を別としても、精神的に非常に落ち着ける土地である。

 

主観を抜きにして、東京の人たちからする北海道は恐ろしく未知の土地のようだ。特に札幌小樽函館旭川以外の北海道なんて、見たことも聞いたこともないですな土地である。反面、憧れも感じている人が多い。一本道に畑に玉ねぎ。-20度にジンギスカンホッケ。興味を抱くだけのツールは十分にそろっているらしい。

地方創生の文脈を紐解くと、いいところはたくさんあるけど誰も振り向いてくれない…という悩みを持つ自治体は山ほどあることを知る。ただその大半が自薦のストロングポイントであり、客観的なストロングポイントではなかったりする。

その点、北海道という土地はアクセスの悪さからして、ある種神秘的な土地であると方々から認められている。これは内地にはない強みだと思うわけだ。

今後、インターネットがより一層普及していく中で、どう世の中が転がっていくか非常に興味がある。このまま東京一極集中型インフラが発展していくのか、それとも場所を選ばない仕事が少しずつ普及していって、地方に人が戻っていくのか。

哀しいかな、東京で働いていると未だ庶民のお金の動きは店頭がメインだと感じる。アマゾンや楽天が力を持っているからと言って、店頭から人はいなくならないし、新宿渋谷池袋横浜は平日休日関係なしに人が溢れている。依然、地方に人は還元されそうにない。

 

でももし今後タイミングとチャンスと勝ち目が見つかって地元に帰られそうなら、積極的に帰って商売をしてみたいなぁと思う。代々の土地がある場所で、北海道という土地の特性を何か生かした、土地と人に縛られない商売ができればいい。北海道に勝算を見出した曽祖父の後、つらつらと北海道を生きてきた一族であるが、改めて北海道の優位性っつーものをしっかり考えて、お仕事をできたら。

東京で働きながら、糸口ときっかけを模索する日々です。