寝ても覚めてもゲームのことを考えていたあの頃。一つのゲームの攻略本を何種類も買って、多角的視点から攻略しようとしていた。ネットが普及していなかったため、ファミ通が出版している、ぶん回したら余裕で凶器になる厚さの攻略本を頼りに遊んだ。大好きだったスターオーシャンの攻略本は付箋挟みまくって本の上部が大森林になった。
ゲームは1日1時間協定が締結されていた頃だ。1時間をどう効率よく回すか。日がなシュミレートして、全てを1時間に注ぎ込む。
家庭によってはゲーム無制限な家庭もあり、そんな家に遊びに行っては、あーでもないこーでもないとゲームに浸っていた。
なんか、もう一度あの無償の夢中を味わいたい。仕事しながらも、帰ったらゲームやれると思ってほくそ笑んだり、休日の前の日には明日何をどこまで進めようかワクワクしながら寝る。
ひとつのRPGを何度も何度もなぞって、マルチエンディングを全部見るような。育成シミュレーションであらゆるモンスターに進化させるような。ネットに繋がないであえて攻略本を買って、寝っ転がりながら制作秘話とかを漁り読むような。そんなレトロな遊び方をしたい。
こないだ、試しにドラクエ3をやってみた。ゲームボーイカラーの作品だ。3D全盛の現在であるが、色がついて興奮した時代の作品があるからこそ今がある。礎となったころのゲームが面白くないわけはなかった。
でもなんか違う。なんかが違うのだ。バラモスを倒しても、ゾーマをやっつけても、なぜだか達成感がなかった。ストーリーを知っているからか。ネットでわからないところ調べちゃったからか。大人になったからか。小さなころ遊んだゲームの内容はいくらでも語れるのに、大学生とかになってからクリアしたゲームの内容はあまり印象に残っていない。なぜだか悲しい。
この先の人生で、全く仕事とかとは関係のないところで、ぐぁぁぁぁあっと心が盛り上がることがないのかと思うと、本当に切なくなってくる。
出来ればゲームで。できればゲームで盛り上がりたい。
懐古の虫になっていると言われても。