徒然雑草

踏みつけられるほどに育つ

「ultra soul」と「タマシイレボリューション」の魂へのアプローチの違いについて考察する

魂、ソウル。人の根源、命の源である。

ultra soulタマシイレボリューション。なんつーか、ネーミングセンスの塊のような2曲である。前者はB’z。いつだったかの世界水泳のテーマソングとして大ヒット。市民権を得る。後者はSuperfry。2010年のワールドカップのテーマソングとして大ヒット。市民権を得る。

かたや偉大な魂、かたや魂の革命。

どちらも自己啓発の香りがする。かぐわしい。大川隆法あたりが、「タマシイレボリューション…」とかつぶやいたら、エルカンターレも踊り出すに違いない。

さておき、両曲ともスポーツ祭典のテーマソングとなった曲だけあって、心の奥の方からグツグツとやる気や拳の内圧が高まってくる気分にさせられる。

これは端的に、音階のなせる業である。

ultra soulの場合、「そして輝く ウルトラソウル」のウルトラソウル部分の音階。ギター持ち出して音階当てるの面倒だからしないけど、C#mのペンタトニックスケールの変則音階をひたひたと上がっていく。ペンタトニックスケールがそもそも日本の民謡に使われていた音階だってのを最近学んだ。ウルトラソウルも非常に日本に親和性のある音階で、魂を賛美している。

タマシイレボリューションはどうかというと、ひとえにイントロから頭サビをぶち込むまでの流れが秀逸だ。特にサビ前のキメの部分。F#→E→A→Eってワウワウさせながら繰り返してからのF#二連打。そしてこれまたC#mのペンタをなぞる。ultra soulよりも忠実に。

このマイナーペンタトニックスケールってのが、魂やソウルをどうこうする時には重要らしい。教祖たちに伝えたい。今、ものぐさをやめてギター持ってきたけど、楽しくなってきてタマシイレボリューションのイントロだけしばらく弾いてた。僕の魂のマリーアントワネットは処刑されました。

 

まあいい。

歌詞はどうなんだろう。どちらも曲名が秀逸で、サビの最後にそれを叫ぶ曲であるから、平常時の歌詞にいまいちインパクトが無かったりするんじゃないか。

精緻な考察をしようとも思うが、タマシイがレボリューションしている今、そんな落ち着いた思考なんてできやしない。一番だけざざっと見てみる。

ultra soul

どれだけ頑張りゃいい 誰かのためなの

わかっているのに 決意(おもい)は揺らぐ

 

結末ばかりに気を取られ この瞬間(とき)を楽しめない メマイ

 

夢じゃないあれもこれも その手でドアをあけましょう

祝福がほしいのなら 悲しみを知り 独りで泣きましょう

そして輝く ウルトラソウル

ハァァァァイ!!!!!

 

どうだろうか。思ったよりも応援ソングなのだ。ウルトラソウルっていう抽象的な言葉に覆い隠されてはいたものの、ものすごく理知的に頑張ることの重要さを説いている。

挫折→諦念→それでも結果への執着

よくあるアスリートの悩みである。よくわかる。痛いほどわかる。そこで稲葉が言う。

その夢は夢じゃないよ。次のドアを開けなさいよ。

成功の美酒に酔うには独り苦しみぬくことも必要なのだよ。

そうしたら輝くウルトラソウル!!!

ハァァァァイ!!!!!

「苦しみ→成功」という王道サクセスストーリーが展開されるのが、ultra soulである。

 

一方のタマシイレボリューション

スタンドアップ!モンスター 頂上へ 道なき道を 切り開くとき

スタンドアップ!ファイター とんがって going on moving on

戦いの歌 未知の世界へ

タマシイレボリューション

夕方ハリケーン 鳥もざわめく 高まる鼓動に 暴れるパッション

突っ走るのさ go to the future

ride on ride on 回りだせメリーゴーランド

イメージしたらばアクション そう、それがit’s my rule 目指せ最大級

前に道などナッシング そう、すべて心意気 起こせよnew wave

スタンドアップ!モンスター 頂上へ 道なき道を 切り開くとき

スタンドアップ!ファイター とんがって going on moving on

戦いの歌 未知の世界へ

タマシイレボリューション

 

お分かりいただけるだろうか。全く持って抽象的である。具体的なことは殆ど言っておらず、なんとなく力強さを彷彿とさせる言葉の羅列で曲が構成されている。しかし耳触りが非常にいい言葉が多いため、そこまで違和感がないのだ。

「夕方ハリケーン」なんて「you gatta hurricane」でしかない。何かnew waveを起こせそうな気がする。

「it’s my rule」「最大級」あたりの大言壮語的韻踏みもそうだし、「戦いの歌 未知の世界へ」と続いてからの「タマシイレボリューション」である。アツい連打に心が持って行かれる。

 

こうしてみると、曲調的には同じテンションでsoulとタマシイをどうにかしようとしている2曲かと思ったら、紐解いててみると全く違った方法でsoulとタマシイにアプローチしている2曲であることに気が付く。

前者が青年誌のようなリアル路線の曲だとしたら、後者は少年誌のような友情・努力・勝利の曲だ。ぶっちゃけた話、どの登山口から登るかの違いなだけで、どっちの曲にしたって頂上は同じ魂への訴求なのである。

 

もちろん、この記事を書いている最中もずっとultra soulタマシイレボリューションをリピートし続けている。休日の朝に、気持ちいい位に心はざわつく。無性のやる気をもって、掃除でもするかなぁ。

ultra roomにするべくワンルームレボリューションを起こそうかと思う。