徒然雑草

踏みつけられるほどに育つ

そうは言っても

仕事が嫌ならシャツもボタンも弾き飛ばして部屋散らかせ

ORANGE RANGEの人気に陰りが出始めていた2006年に発売されたシングル、UN ROCK STARの一節である。このシングルで連続オリコン首位の記録が途絶えた。確かにキャッチーさで言ったら今一歩な楽曲かもしれない。売れ線ではないのだろう。

仕事が嫌な人間と仕事が好きな人間を天秤にかけてみたら、きっと仕事が嫌な人間が乗った皿が簡単に下がるだろう。僕は比較的ニュートラルに仕事に対して構えていると考えているが、それでも憂鬱になることはある。気が重い日もある。況んや人間関係に悩める諸君をや。況んや残業代つかない諸君をや。

苦しみの先のランウェイ 夢に見る夜明け

僕が薄給と仕事のストレスとの折り合いがつかないと憤慨しつつ書いた曲、月給哀歌の一節である。目の前を遮られてしまうとどんなに目立つスカイツリーのようなランドマークも見えなくなってしまうように、目の前の辛さに何もかもを掻っ攫われる。費用対労働を考え出すと二進も三進も切なくなる。

嫌々に対抗する手段は、二者択一であるように思う。かつて心理学を志した頃、ストレスコーピングの手段がどうこうって講義を受けた。大学生なんていうストレスからどうにでも逃げ回れる立場のやつにコーピングの話をしたって芽ぶく前に種が腐るのはわかりきっていた。今こそあの講義が必要である。

シャツもボタンも弾き飛ばしてやりたい。そうは言っても、社会は回る。なんだかんだ働いている。やはり、しんどいはしんどい。この苦しみの先、何かを得られるかもしれない。そうは言っても、いっぱいいっぱいです。


そうは言っても。そうは言っても。

なんとも希望が削がれる言葉だ。オブラートに包みつつ、強烈に否定をかましている。そうは言ってもが蔓延っているうちは鋭いイノベーションも起きなければ甘いテンプテーションにも乗れない。

そうは言っても、今日も起き、働く。

あぁ、眠い。そうは言っても。