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徒然雑草

踏みつけられるほどに育つ

初夏のメトロポリストウキオはオホーツクの真夏と近似

ご機嫌麗しゅうございます。夏らしい陽気が続いております、オフィスビルジャングル・アスファルト砂漠が陽炎の向こうに揺らめくメトロポリストウキオでございます。

ひとえに夏らしいと言っても、5月はやはり初夏であって、真夏のピークが云々、7月8月の殺傷能力を伴う猛暑とはいささか様相は異なる。湿度は低く日陰は涼しく、薄手の服と肌の間を通り抜ける風が心地よい。イッツ初夏、ザッツ初夏。この先否応が無しに待ち受ける梅雨と猛暑を前にした準備運動にすら感じられる。

東京生まれヒップホップ育ちの皆の衆はご存知ないかもしれないが、この今時期の過ごしやすさこそ、北海道の、オホーツクの真夏である。羨むがいい。日中は焼けるように暑くとも、必ず朝晩は涼しくなり、日陰は昼夜かまわず爽やかな風が吹き渡る。真夏でも室内は窓を開ければ涼しく、エアコンの室外機は常勝球団の敗戦処理ピッチャーのごとく登板の機会を窺い続けて結局秋を迎える。ポストシーズンは無い。

羨むがいい。羨むがいい!

なんとかして、このままの陽気でおとなしく秋へとシフトしてはくれないかと思う。もう東京に出てきて6年経つ。四半人生を東京の人として過ごしてしまっている。だが慣れない。あのうだる暑さにはどうしても慣れない。せめて風だけは涼しくあってほしい。しかし道産子の切実な願いを聞き入れるキャパは関東圏の天気にはなく、そろそろ熊谷あたりでそろそろ真夏日を観測し、なだれ込むように本格的な夏が始まる。

鼻の頭に浮かんだ汗は、気化熱を望んだ火照る体の防衛反応。あとどれだけの時間、気持ちよく汗が気化できるだろう。気化させる風にも湿気が含まれる、あの神も仏もない季節は、あとどれくらいでくるのだろう。尻込みしていても地球の北半球と太陽との距離は刻一刻と近づいている。たかが地軸の傾き程度のことで暑くなり寒くなるのだ。恒星と惑星が奇跡的な距離に誕生した太陽と地球のミラクル。天体のマジック。

宇宙に逃げ出した思考は満員電車のドアが閉まるとともに閉じ込められ、現実の蒸し暑さが迫る。だからせめて、オホーツクの人と人との距離、そこを吹く風を思う。