ポテチ、チョコパイ、チップスター、ミルクチョコ、歌舞伎揚げ、スルメイカ、チョコパイ。
塩と甘の不断の往来。誰に強制されるわけでもないシャトルラン。シャトルランで心肺機能が確実に高まっていくのに対し、塩と甘のそれでは確実に自重が高まる。腕立て伏せ等自重トレーニングが捗るというものだ。しめたしめた。
一家が揃う休日の昼食後にはほぼ必ず菓子パンを食べるという、激甘党からの推薦を一手に受けている我が家で育ったがため、食後の口の中はできる限り甘味で締めたい欲がある。塩ー甘シャトルも、根性で甘で終える。そうでないと落ち着かないのだ。口内が。舌が。
昨日もステキなお残り業務を終え、24時間定食を提供している激アツ中華でスタミナ定食を食べた。明日への活力、すなわちスタミナ。豚バラとキャベツがオイスターソースの中で踊る。ニンニクの風味が鼻に抜ける。至福である。一人暮らしの代表的なデメリットの中に家に帰ってもご飯がないなんてのがあるが、翻せば何を食べてもいいわけで、こういう時に1人でよかったとじんわり感じる。スタミナつけたい時に素麺が自動的に出てきてしまうよりは、自腹切っても後腐れなくスタミナ定食を貪れるのは得である。
美味しくスタミナ定食をいただき、帰り道。便利なことに24時間営業は眠らない街東京のスタンダードになっており、ちょっとしたスーパーだったら24時間やっている。
お気づきだろうが、口の中はいま塩だ。甘を求める市民運動を全細胞が起こす。プラハの春、ジャスミン革命に続き、ショ糖運動が体内で起こる。パブロフの犬がベルとともによだれを垂らすが如く、スーパーの看板を見るとともに吸い込まれ、吐き出された時には片手にチョコモナカジャンボを持っていた。
久々に食べるチョコモナカジャンボ。吉川晃司がかつてCMをしていたなぁなんて思いながら袋を開け、噛み付く。
モナ王にはないモナカ生地のパリパリ感。バニラの柔らかさ。それに包まれた板チョコ。
パリっ、フワッ、パリっ。
ショパンが現代に生まれていたら子犬ではなくチョコモナカジャンボでワルツを書いたに違いない。ヨハンシュトラウスもこの三拍子に巡り会えなかったことを天国でさぞ後悔しているだろう。それほどまでに完成された食感の三拍子。押し寄せる甘味の津波。スタミナ定食の塩気を一瞬で押し流し、自分色に変えるチョコモナカジャンボの返し技は見事であった。
スーパーで100円足らず。それだけでこの幸せを得られるのであれば、僕はいくらでもチョコモナカジャンボに貢ぐ。愛を捧ぐ。
パリっ、フワッ、パリっ