徒然雑草

踏みつけられるほどに育つ

記録的大雨

陸上競技の醍醐味の中に、会心の走り等々をした時の「いったな感」がある。あ、これはタイム出たわとか、あ、明らかに跳んだわとか、今までのどの感覚よりも圧倒的な出来の良さ。あの感覚を味わいたくて走っている人も多いと思う。

僕は今朝同じ感覚を雨で感じた。

記録的豪雨が頻発する昨今。記録的がもはや記録的じゃなくなっている気すらするほど、記録的が折り重なっている。日本記録・世界記録を苦心して出しているアスリートの身にもなってほしい。「1時間に何十ミリの」という枕詞にくっついた記録的大雨。九州やら山沿いやらで頻発しているようだが、実感は特に伴っていなかった。

しかし今朝の大雨は文句なしの記録的何某だったはずだ。道路が河川になっているのを僕は初めて見た。

北海道では毎冬北から台風もどきがやってきて大豪雪にはなるが、夏にとんでもない雨というのはあまり記憶にない。時折狂ったかのような夕立が降ったと思ったら、10分もしないで上がる。後腐れのなさは清々しい。世のメンヘラと呼ばれる人たちに見習ってほしい。

今朝のバケツをひっくり返したような、シャワーの強の如き大雨は留まることを知らずに降り続け、世の中を水で浸した。ちょっと濡れないように歩こうとか言うデリケートな考えは家を出て3歩目くらいで砕け散り、脳みそストップして粛々と歩き続けることとした。おかげでスーツの膝下はタイツさながら皮膚にくっつき、明るいグレーだったはずが濃いねずみ色を湛えている。水も滴るいい男とは何が語源か知らないが、イケメンになりたきゃちょっと外に出ればイチコロである。なんて容易い。


これは絶対記録的!と思って書き出した本文だが、ヤフーニュースをいくら更新すれど江東区に大雨警報は出ていなかった。

雄弁に語り損であった。