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徒然雑草

踏みつけられるほどに育つ

4×100mリレーで日本が銀を取るということ

仕事中だというのにこれ程までヤフー速報の更新ボタンを連打したことはなかった。

日本人が短距離種目でメダルっていうのは、恐らく誰もが知っての通り、大変に難しいことである。まさに短距離種目をやっていた身からすると、それこそ自分が絶対に敵わない同国籍の人が国際大会の予選で敗退する現実を見てきたわけだから、銀ってのが、しかもアメリカやカナダに勝っての銀ってのが、どれほどの快挙かをひしひしと感じている。

 

襷を繋いだり、バトンを繋いだり、日本人の国民性には繋ぐ要素がとても合っているらしい。国民性を度外視しても、黒人諸君とは筋肉のつき方や骨格も違い、速く走るには明らかに適さない体つきの日本人。ガチンコ勝負じゃ勝ち目は薄いから、幾つかの不確定要素が有ったほうが世界の走るのに適している人とは勝負になるのである。為末大のハードル然り。

しかし、技術だけではとてもじゃないがメダルは獲れない。

今日本人はとても足が速くなっている。

10秒0台を「いつでも」出せる4人である。飯塚さんこそ100のベストは10秒2台だが、200のベストから考えるに曲走路からの加速走であれば9秒台の走りができる人だ。技術以上に、走力の向上がすごい。ただ、そうはいっても日本は誰一人として個人種目で決勝に残っていないのだ。なぜ列強に勝って行けたのか。ジャマイカとアメリカに次ぐ国別歴代記録を出せたのか。

ベタな話だが、個人の力同士を掛けあわせられたか、足すことしかできなかったかの違いだろう。チームの絆が強ければ、仲が良ければ、掛け算的に記録が伸びるわけではない。練習である。練習をして、バトンの精度を上げて、寸分狂わないバトンワークを猛ダッシュの中で発揮すること。それ以外に個々人の力を掛け算をする方法がない。

高校レベルでも、個人種目で突出した選手がいないチームがジャイアントキリングをかます場面をよく見かける。ある意味では残酷な選択だが、個人で勝ち目がないからこそ、個人で輝いている連中ができない練習を積み、束になって強敵を倒すのである。反骨心と、団結力と、練習。日本が世界に誇れる特性を存分に発揮しての銀メダルだったように思う。

 

高校の陸上部の顧問がよく言っていた。

「陸上を好きなやつが、陸上が得意なやつを負かすから楽しいんだ」

本当にその通りだと、再放送を見ながらしみじみ感じた。