徒然雑草

踏みつけられるほどに育つ

秋めきメモリアル

南方では台風が猛威をふるっているというが、中々どうして本日東京は晴天である。うだうだうだうだと続いた長雨はようやく一旦休戦し、百恵が歌いそうな秋桜が間もなく綻ぼうとしている。

湿気も少なく、涼やかな本日。北海道の夏がこんな感じだ。今年の帰省の折、この夏はじめじめしてたねえと言った声が其処彼処から聞こえたから、少しずつ劇的に気候は変動しているのかもしれないが、概ね、過ごしやすいのが北国の夏の定番である。


秋の思い出を頭の中で漁ってみるが、秋というのはいかんせん掴み所のない季節である。これぞ秋!たる思い出にたどり着けない。

北海道は比較的紅葉が綺麗だという。昼と夜の寒暖差が激しいため、昼に栄養分が葉に通ったまま枯れていく。すると鮮やかな紅葉になる。確かに、並木道を思えば、桜並木なんかは綺麗な紅葉だった気もするし、金比羅さんと呼ばれる山の紅葉も確か綺麗だったはずだ。だか、そのなかのどれかが、僕に強烈なインパクトを残したかといえば、そういうわけではないようである。秋秋しい記憶が、どうも無い。実家にいる頃は落ち葉清掃に精を出し続けたが、あれはもはや冬だ。

夏と冬をつなぐ秋。百花繚乱の季節とはまた違う趣の秋。転がり落ちるように冬に行ってしまう。どうしたって、厳寒の記憶に秋が塗りつぶされてしまう。

今年は小さい秋でも見つけてやりたい。何かインパクトに残る秋をして、冬につなげたい。