徒然雑草

踏みつけられるほどに育つ

MENU

花粉症が致死性であったら日本はとっくに壊滅している

振り向けばマスク。正面にもマスク。点鼻薬、点眼薬、飲むマスク。四方八方を花粉症患者で包囲されつつある今日このごろ。芽吹きの春が彼ら彼女らにとってはキル待ったなしのシーズンらしい。

僕は北海道でのうのうと生きていた頃から花粉には全く持って鈍感である。白樺という飛散力破壊力ともに抜群の花粉を持った樹木が生い茂る大地においても、春秋ともに鼻にも目にも訴えかけられなかった。その傾向は本州進出してからも続いており、未だにスギ花粉を身体で感じたことはない。春は綺麗だなぁな季節である。決死の覚悟で飛び込む季節ではない。

実感として、周囲の人の3人に2人は花粉症だ。「花粉症辛い」が一昔前の「月9面白い」みたいなある種の共通言語となっており、なんか花粉症じゃない人間は若干の村八分にあっている気になる。こういう状態だから、花粉症が鼻水涙かゆみで済んでよかったと心から思うのである。もし仮に花粉症がインフルと同値の厳しさを強いるアレルギー反応だったとすると、春になると日本経済はストップする。スギ花粉を吸い込んだ後、5日ほどの潜伏期間をおいて発熱と節々の痛みが始まる。高熱にうなされ、病院に駆け込み、インフルですか…?と診断を仰ぐも、いえこれは花粉症ですと一蹴される。アレルギーの薬出しときますねーと言われるもまだ春も始まったばかりであり、これから2ヶ月は高熱にうなされる日々が続く。絶望的だ。考えただけでゾクゾクする。

インフル程度ならまだいいかもしれない。これが天然痘よろしく途轍もない致死力を誇る殺人花粉だったりなんかしたらとっくに人間は滅びている。少なくともスギのメッカである日本は壊滅している。春先を告げる梅の花はレクイエムである。発症したら最後、過度の鼻水による脱水症状をはじめとする多臓器不全によりしに至らしめる病、花粉症。誰も外出しないし、プラズマクラスターはフル稼働だし、杉を駆逐しにかかる非花粉症人間がゴーストバスターズかのように崇め奉られる。

なんというか、うまくできた世界である。死なない程度に苦しみながら皆生きている。本当に死に至るような諸々を間一髪で躱しながらうまく生きている。

僕はいつまで花粉の脅威から逃れ続けられるだろうか。今年か。来年か。