徒然雑草

踏みつけられるほどに育つ

BiSH「プロミスザスター」を聴いて売れ線を儚む気持ちとは

文句なしにキャッチーな曲である。

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昨晩公開されたBiSHの新曲、「プロミスザスター」である。「F→G→C」的コード進行を存分に堪能できるわかりやすさ満点の新曲になっている。引っかかりなどない。全生命を代表して清々しく、全生命を持ってしてわかりやすい。

パンクロックを深く重く話せるような知識は持ち合わせてやいないが、これこそがパンクないしはメロコアの流れをひしひし感じている。もしBiSHが「楽器を持たないパンクバンド」を標榜するのであれば、全く持って納得の新曲だと感じる。この曲に大してパンクじゃないじゃん!と言えるほどのパンクへの造形と知識と熱量を残念ながら持ち合わせてはいない。なんとなく「ドンダンドドダン!ドンダンドドダン!」に乗れるリズムで、首が振れればパンクとかメロコアの一派であると信じている節があるからして。

前シングルの「オーケストラ」に引き続き、オケも入ったロックバラードになっている。歌詞の意味なんて追わなくたって勝手に耳に入ってきてくれる心地よさを追求しているのではないだろうか。作曲を担当しているはずの松隈氏の技量に感服である。わかりやすさを求めている需要を鷲掴みにしている。しかしその一方で、わかりにくいまま、市場に火がつくような曲を出さないままで半地下アイドルとして生きていくBiSHを観ていたい一派はこの曲に対して異論を放つ。守りに入っているのではないか。どうなのか。その気持もわかる。メジャーデビューが90秒程度の「DEADMAN」である。「オーケストラ」、「プロミスザスター」と続いたら保守に走ったと考えられても不思議じゃない。

でもどうだ、なんと聞きやすい曲ではないか。なんの毒気もないメロディーに、彼女らのデビュー後の心境に程よく沿った歌詞が乗っている。ハグ・ミィ脱退に寄せたかのような「オーケストラ」から一歩先んじて、全国を相手にツアーを周回するBiSHの新しいキャパシティに見合った歌詞を、誰にでも受け入れられるであろうキャッチーにくるめて我々に提供してくれている。わかりやすさをわかりやすく飲み込んで踊ればいいではないか。僕は少なくともそう思う。

BiSHらしさ、BiSHたるもの。僕はたかがYOUTUBEの前で体育座りをしながら曲を聴き、通勤の間にふわっと耳を借りるくらいのリスナーである。清掃員の風上にも置けない。でも聴いている限り、その時その時の彼女らに感情を輸入できる楽曲がここのところ並んでいっている。ファン冥利なのではないだろうかなと思う。それがプロデューサーの手のひらの上だとしても、素直に踊るし、頑張れと思う。

どれだけ話せばわかってくれる?

don't you think everytime.

あの空を染めてけ

プロミスザスター 

敵も味方も増え続ける世界にどんどんと足を踏み入れていくであろう。知名度と悪評はバッチリ比例していく。負けるなと思う。頑張れと思う。

何しろ好きなアイドルグループである。重ね重ね、頑張れと思う。

 

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