何かが起こりそうな夜は
祈りを捧げて目を閉じなよ
こんな月の溶ける夜に
愛され生まれて来たのとママは言った
20年くらい前に名探偵コナンのエンディングテーマだった、Rumania Montevideoの曲「Still for your love」の歌い出しである。僕は、サントラを買ってもZARDや倉木麻衣をすっ飛ばして猿のやつにこの曲を聴きまくっていた。大好きな曲だ。
別に何が起こりそうでもないのに眠れない夜がたまに訪れる。さっきまで抗いきれないほどに瞼が重かったのにいざ床についてみるとやたらに目が冴える。一度覚醒のバーサーク状態に陥ると加速度的に頭が回転していく。寝たいのに。寝たいのに。
しかし、当たり前のことなのだろう。
この記事にも書いたのだけれど、なんでもない時間が決定的に不足している現代において「寝ようとして寝られない時間」つまり入眠待ちの時間ほど思考に適した時間はない。なにしろ動かずに目はつぶっているけど何もしない時間だ。使える部分は頭しかない。
不安と期待と絶望と希望がタスキリレーをしながら頭の中を駆け巡る。普段どれだけ考えることから逃げていたか、抑圧していたかがよくわかる。ここぞとばかりに噴き出してくる諸々が立てる雑音で寝られないことこの上ない。
それでも大抵気付けば朝になっているのだが、一生懸命頭を回転させた後の朝だ。疲れている。なんなら眠い。
そうして今日も1日やんごとは色々あったなりにやり過ごした。今日こそはするっと落ちていきたいものである。