徒然雑草

踏みつけられるほどに育つ

Wi-Fi難民

平日夕方のスターバックスコーヒーの年齢層は若い。干支が3回巡っていると長老になれてしまいそうなほどの若年加減。左手では学生だろうか、向かい合いながら身の上を話している。元彼と元カノの話に大輪の花を咲かせている。一方で、1人でゲームをしている。あれはニンテンドースイッチだ。羨ましい。さらに奥には1人で化粧品を開封している女子。多分彼女はいつまで経っても女子だろう。女性ではない。女子だ。その隣に座っているギャル2人は語尾だけ関西弁の標準語を使いこなしている。たった今から君の言語をギャル弁と名付けよう。

若年層に囲まれた若年の僕はスターバックスに何を求めてきたかというとWi-Fiである。

通信制限にがんじがらめにされ、アイアンメイデンを食らっている現在。自宅にWi-Fiが飛んでいないため、自力のデータ通信量で生きてきている。なかなか苦しい。

心のうちとしては、データ通信量なんかに縛られたオンラインズブズブの生活を送りたくないからWi-Fiやらデータ通信量の拡大を拒んでいる。通信量強者が湯水の如く動画と画像に溺れている間、僕は黙々とひとり取水制限を続けているのだ。

そうして月末、いよいよ苦しくなってスターバックスに逃げ込んできた。僕にとってのスターバックスラテはただのスターバックスラテではなく、Wi-Fi込みのスターバックスラテ。マイナスイオンよろしく満ち満ちているWi-Fiが僕を潤す。がしかし、データ通信量に禁欲的な生活を続けていると何していいのかわからなくなる。動画を見るわけでもなく、画像を見るわけでもなく、なぜかどこでも書ける文章なぞをWi-Fiの楽園にてしたためている。勿体無い。データ通信量貧乏性である。

せめてと思って、音楽をストリーミングで聴いてみる。どうだ、今僕はデータ通信量を貪っている!データ通信量の贅を尽くしている!

心の遠吠えは虚しくギャル弁に吸い込まれていった。