たまたまYouTube見てたら流れてきた。
と、思ったら、それだけの動画もあった。
いよいよ売れにかかってきているようである。
CMの内容は単純。おでんのCMにおけるおでん讃歌だ。
おでんのヘルシーさにがっつりフォーカスし、生活習慣に悩みを抱える日本国民たちにおでんを食べましょうと投げかける。食べたら諸悩万端解決するよ。
ありがとう、おでん。
このCMをまじまじ見てやはり思った。僕は楽曲を含めた彼女らが好きなのだ。
いつか読んだ文章の中に、松隈ケンタ氏が楽曲提供を手がけるアイドルグループたちの楽曲がアイドルっぽくないのは合唱をしないからだという文言があってなるほどなと思った。
ももクロにしろ、48グループ、46グループにしろ、サビは大抵みんなで歌う。あの全部の声がごちゃ混ぜになった声がアイドルらしさを助長していると。言われてみればその通りだと思う。
アイドルっぽくないアイドルがアイドルらしいことをしている。
BiSHのアイドル性に惹かれて好きになった層にはこれほど嬉しいことはないだろうが、BiSHのアイドル性をさして重要視していなかった層は割と冷静に受け止めているはずだ。
売れてきたね!良かった!と少し離れたところからCMを眺めている気持ち。
例えば「Mr.Childrenが好き」と、「桜井和寿が好き」には大きな隔たりがある。桜井和寿は0.05mmの隔たりに愛を歌ったがこの際そんなことはどうでもいい。
楽曲を含めたアーティストに対する愛はアーティストの楽曲への愛だ。「Mr.Childrenが好き」は、「音楽ひいてはJ-POPの中でMr.Childrenの楽曲が好き」の意訳に過ぎない。しかし、「桜井和寿が好き」はもはや楽曲をすっ飛ばしている。「Mr.Childrenが好き」が興じて、「Mr.Childrenの楽曲を作る桜井和寿が好き」となり、「桜井和寿が好き」になる過程は理解できるのだが、まじで別物である。「カレーが好き」と「じゃがいもが好き」くらいに別。
「Mr.Childrenが好き」な人はミスチルを聴き、ミスチルに鼓舞され、ミスチルに癒される。「この曲のここの部分いいよね!この歌詞!このギター!このベース!」そういう好き方をする。対して「桜井和寿が好き」な人は、桜井和寿に詳しくなる。「桜井さんは何歳の時にこういうきっかけでギターを持った。」そんな知識に喜びを覚える。もはや楽曲関係ない。「桜井和寿の歩いた道」を歩きたいとか、そうなってくる。
余計な例えをしてしまった気もするんだけれど、BiSHにも同じことが言えると思っている。
彼女らがアイドルというジャンルに棲んでいるからややこしいのだが、多分「BiSHが好き」には「Mr.Childrenが好き」なタイプの人と「桜井和寿が好き」なタイプの人が混在している。
この2者の好き方の差異はなんともわからない。もしかすると「Mr.Childrenが好き」タイプの好き方の上位互換が「桜井和寿が好き」タイプなのかもしれないし、全く別次元の好き方なのかもしれない。
ただ確実に言えることは僕の今現在の好き方は「Mr.Childrenが好き」タイプであり、「桜井和寿が好き」タイプではない。だから今回のCMは嬉しいけど狂喜乱舞するほどのことではなかった。これが言いたかった。
ともあれ、おめでとうBiSH。引き続き敬虔な態度で拝聴し続けます。