パワプロにえらくハマっていた時期があった。中学生の頃である。
選手を育成する「サクセス」というモードを延々と繰り返し、プレステ2のメモリーカード一枚を選手データでいっぱいにするほどに遊んだ。ほとんど狂っていた。
守備職人として鍛え上げた「守 守(もり まもる)」、やる気ない名前付けたけど天才型がでてきた「サナキ」、やる気ない名前付けたけどダイジョーブ博士の改造手術が二回成功した「シラス」。思い出の選手が沢山いる。
- 出版社/メーカー: コナミ
- 発売日: 2005/07/14
- メディア: Video Game
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実家のちっちゃなテレビでプレイしていたパワプロ。傍らに流れていたのが、当時流行っていた音楽である。
パワプロのBGMを聞くことは少なかった。テレビの音量はゼロにして、隣に置いていたCD、MDどちらも再生できるコンポからいろいろな音楽をかけていた。
ORANGE RANGEが絶好調で、ファンよりも多いアンチを抱えながら燃えていたころだ。素直な僕は素直にORANGE RANGEを聴いていた。飽きもせず。
2枚目のアルバム「musiQ」、3枚目のアルバム「Natural」あたりはCDにもう2、3個穴が空くほど聴いた。
- アーティスト: ORANGE RANGE,Gerry Goffin
- 出版社/メーカー: ソニーミュージックエンタテインメント
- 発売日: 2004/12/01
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BUMP OF CHICKENを知った時期でもあった。それこそユグドラシルはMDに落として、音飛びするまですり減らした。
幾枚か存在する、腐るほど聴いたアルバム。シャッフルリピートなんて機能が発達するすこし前、ミュージシャンが決めた曲順に従っていた最後の時代。音楽を聴くと聴いていた頃の景色を思い出し、曲が終わると次の曲のイントロが想起される。
最近、音楽はどこにでも持ち運べるようになった。通勤といえば音楽。休憩といえば音楽。音楽との接点が増えたにもかかわらず、中学生当時のような肩まで浸かる聴き方をしなくなった。曲順丸暗記アルバムもない。
あまりにも音楽がカジュアルになりすぎたのだろうか。データで売買するようになって、音楽一曲の貴重さが薄れた。山のような音楽をプレーヤーに突っ込んで、膨大な曲中でシャッフルリピートをかけるものだから、曲を覚えるにも覚えられない。
娯楽が少年ジャンプしかなかった小学生低学年の頃、1週間幾度となくジャンプを読み返した。巻頭から巻末、隅から隅まで読んだ。
ああゆう没頭の仕方は、もうできないのだろうか。たくさんの娯楽を知り、働いてお金をもらっている、今となっては。