徒然雑草

踏みつけられるほどに育つ

引っ越しするのに物を買う

片付けをする時にアルバムを読み出してしまう現象があるだろう。それの壮大な症状に罹患している。

色々捨てて、色々ダンボールに詰めて。散らかってはいるものの、現在部屋の中のものはあらかたひとまとまりになってきた。明日引っ越しと言われたら、ガッツぶっこんで部屋をスッカラカンにできるレベルにまでなってきていると思う。

逆にまだ2週間引っ越しまで猶予があるため、極端に片付けきれないところ。

 

片付けていく。すなわち、ものを捨てる。すなわち、スペースが空く。

なぜか、物を買いたくなってしまう。

 

これまでさしてパンパンだったわけではないタンスやクローゼット。しかし、ここまで広大なスペースが捻出されたことはなかった。

空き地が出たらすぐに売りに出され、買われ、マンションが建つ都会に住んでいるからなのか、なんなのか、スペースがあったら埋めていきたくなってしまう。

と言うわけで、服を買った。

私服である。

寒くなってきたからと、パーカーとセーターを買った。ついでにズボンも買ってしまった。ゆりかごから墓場までよろしく、頭からつま先までのトータルコーディネートby Global Work。

 

かつて。中学生の頃。

胸のど真ん中に全く読めないレトリックで英語が書き殴られたTシャツこそがおしゃれと盲信していた香ばしい季節に、夢中できていた服がある。

それはシンプルでなんてことのないチェックのシャツであったが、兎にも角にも肌触りが好みだった。春夏用のそれは、ふわふわツルツルで、着ていて心から気持ちのいいものだった。

チェックのシャツがなんとなくダサいといった風潮が田舎にまで浸透してから着なくなったが、あれはいいシャツだったと、今でも思い出す。

 

今回の買い物も、完全に肌触りメインの服だ。

特にパーカー。ムチムチした生地である。なんと言えばいいだろう、焼く前のパン生地を薄く伸ばしたものを触っているかのような肌触り。表も裏も、ムチムチムチムチ。置いてあるのに触れた瞬間にLサイズを鷲掴んで試着していた。そのまま帰りそうになったが一生懸命脱いで会計を通した。

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それほどまでに好きなムチムチ感である。

セーターは店員さんの笑顔にヤラレて買った。ズボンは今のがへたってたから買った。

 

今日買った服には、謎レトリックの文字も書いていなければ、チェックも入っていない。無地だ。大人になるとはこう言うことだろうか。

新居・新生活でもきっと活躍してくれる服たちに違いない。

彼らがダンボールに収納されるのは、おそらく最後の最後であろう。