徒然雑草

踏みつけられるほどに育つ

サプリは馬鹿にしちゃいけないのかもしれない。

友人に、にんにく卵黄信者がいる。

にんにく卵黄を飲むと圧倒的に体調が良くなるらしい。そこにスッポンのサプリを飲むとさらなる確変が起き、脳みそがビキビキいって信じられないパフォーマンスを見せるとか言う。

日頃そんなに試されてたっけ…?みたいな疑問はさておき。僕は素直に、サプリに投資して能力確変を期待するなら自力鍛えろよと思った。サプリを、あまり信用しなかった。

しかしこれは、大きな間違いだったかもしれない。

 

ひょんなことからドライカレーを作った。

近年稀に見る量の野菜を一心不乱にみじん切りにし、ひき肉と共に炒め、煮込み、ルウを入れ、さらに煮込み。出来上がったがドライカレー。どうしたって上手い。美味しい野菜と美味しい肉と美味しいルウが重なっているのだ。美味しくなることを宿命づけられた代物。

山のような野菜と肉を鍋の中に閉じ込めたところ、カサ的には三分の一くらいになった。水分が飛んだのだろう。新鮮な野菜たちがギュッと凝縮されたわけだ。僕の目にはドライカレーが栄養の塊に見えて仕方なかった。調理過程を知っているからだ。

この一口には、野菜があれだけ入っている。

この一皿に、1日分の野菜に匹敵する野菜が。キロ買いしてきた豚挽肉が。

宝庫である。栄養の宝庫。なんなら食べ終わった後、肌がツヤツヤしてきたような気すらした。

 

サプリって、多分ドライカレーみたいなものだ。

猛烈に栄養を凝縮した、カレー。

猛烈に栄養を凝縮した、錠剤。

カレーか錠剤かの違いである。僕がもしあのまま気を失うまでみじん切りしまくって、オブジェになるほどに黙って煮詰めまくったとする。細々した野菜や肉は長時間の炒め煮込みによりクタクタを極め、凝縮に次ぐ凝縮。ついには一点の粒になったとする。

それは、サプリではないか。

このひと粒に、山のような野菜と肉。カレーになるか、粒になるかの違い。ほぼ同じ世界線に、両者は存在する。

 

にんにく卵黄のパッケージを愛おしそうに撫でる友人を、あの時僕は冷ややかな目で見てしまったと思う。心より謝りたい。あれは、凝縮しきったドライカレーだったのだ。健康の塊、栄養の要。

明日の僕が圧倒的なパフォーマンスを発揮していたとしたら、それはおそらくドライカレーのおかげです。