徒然雑草

踏みつけられるほどに育つ

宅配を受け取れなかった無念

今日は終日家にいる日だったので、Amazonに配達品を頼んでいた。

昨今の宅配事情はシビアである。ヤマトが運賃を値上げした結果久方ぶりに黒字転換したらしいというのが、配達業界での珍しく明るいニュース。昨年いっぱいは疲弊している現場が明るみになって、世間から宅配を見る目線も相当変わったのではなかろうか。

僕ももれなく意識改革を遂げた一派に属していて、日付指定、時間指定をかけようものなら死に物狂いで受け取り、配達員のお兄さんには心からのご苦労様を。そんな気持ちでいる。いた。いたはずだった。

スーパーに買い物に出た以外は根を生やし、届け物を待つ。事あるごとに、パソコンで配送状況を確認する。

「近くの配達店まで輸送中です」

「配達中です」

近づいてきていることは間違いなかった。が、「配達中です」で動きが止まった。

Amazonのお急ぎ便で頼んだ関係もあり、滑り込みで荷物を突っ込んで、周りきるの大変なんだろうなと想像をたくましくしながら、荷物が届くのを待った。

日もとっぷり暮れ、夜が訪れた。21時という配達便もある世の中だ。まだ届いてないのだろうなぁと、配達状況を確認した。

「⚠️」

「保管中です」

保管中?保管中…?

僕は慌てて階段を駆け下り、ポストを確認した。

不在票が入っていた。15時半に持ち戻っていた。確実に、確実に部屋にいたというのに、僕は気づけなかった。おおよそ、ヘッドホンをつけながらゴキゲンに音楽でも聞いていた時間帯だったのだろう。わずか2メートルしか離れていない場所から流れたはずのピンポンの音に、気がつけなかった。

お急ぎ便にまでして、欲しかったものだ。それが知らない間に、指の隙間から滑り落ちてしまっていた。悲しい。情けない。

 

風潮が配達偏重になってきている。お店に行って、在庫確認して、在庫なかったら取り寄せて…なんてプロセスを踏まずとも、ある種無限の在庫から家まで届けてくれるシステムが出来上がっている。ラストワンマイルをどう繋ぐか、どう効率化するかの議論が活発になっていて、そこにこそビジネスチャンスがあるとかないとか。

 

もはや多分、ラストワンマイルはラストワンメートルになってきている。

家までは行く。家までの網は出来上がっている。が、家の中で、どう確実に通知するか。「ピンポンを鳴らす」では気づけない場合のヘッジの必要性があるだろう。

IoTの文脈だと、ピンポン鳴らしたらスマートデバイスに通知が行くシステムを作るとかって話になるのだろうか。配達を待つ人と、配達員とが共通のパスワードで繋がって。在宅・不在を簡単に確認できるシステムでもあれば、再配達率も減るだろう。

 

今回の受け取りミスは、圧倒的に僕の過失だ。てめーの音楽なんて知らねーよ、音大きすぎるんだよ。と言われれば、ぐうの音も出やしない。でも、ありがちなあたりだと掃除機をかけていたとか、トイレに入っていた、風呂掃除をしていた、等々の理由で、気づけない人もいるだろう。

どう気づかせよう。どうしたら気づくだろう。

何か便利になればいいし、便利にできそうならして行きたい。