徒然雑草

踏みつけられるほどに育つ

様々な夜

越してきて一ヶ月が経った。

 

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大都会錦糸町から、閑静な住宅街へ。駅から徒歩10分から、徒歩20分へ。便、不便で言えば、不便になった。が、職場は近づいたし、家賃ははるかに安くなった。一長一短である。都会から離れれば安い。都会で楽をすれば高い。そういうことだ。

川沿いをてくてく20分歩く。今日は飲んできたから、深夜の川べり。河川敷にはなっていない、舗装された道。

錦糸町に住んでいた頃、この夜は見なかった。

錦糸町の夜は騒がしくて、明るくて、たくさんお金が落ちるものだった。身を滅ぼすも、身を立てるも、夜の街が介在していた。

 

ぼんやり川べりを歩いていると、これこそが夜だという気になる。忘れていた夜を取り戻したような気持ちになる。

真正面にオリオン座を見ながら歩く、静まった夜。消費される夜とは正反対の夜がそこにはあって、それは地元のそれにも似ている。北見市街から実家までやはり2キロ。真冬にしばれながら歩くあの夜が、今の街にはある。

 

錦糸町のネオンとお金とお酒は本当に魅力的だった。もしかするとあれはある種のV系バンドのメイクのようなもので、酒の力で魅力マシマシにされていたのかもしれない。

一方、打って変わって今はすっぴんの夜。夜が夜のまま、横たわっている。

ワサワサした気持ちをゆっくりランディングさせて、家に着く。穏やかな夜。

 

さて、ゆっくり寝られそうです。

 

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