徒然雑草

踏みつけられるほどに育つ

遥か上空の決意

しばし、実家に帰る。

11月から年末年始にかけて仕事にがんじがらめにされていた日々を越え、ようやっとたどり着いた心のオアシス。そこは零下30度の氷の園。万目総て凍るなり。

時間に追われることのない1週間。帰省の度、のんびり本読もう、テレビ見ようと心に決めるも、怠惰に怠惰を重ね、何もしないでただ食って飲んで終わることが非常に多い。僕は僕が思うほどに意思も強くなければ知的好奇心も旺盛でないようだ。幼い頃の本の虫は何処へやら、今や酒蚤である。さけのみ。

それでも、頑なに、今回こそはと思っている。夜は誰か彼かと会う。だから昼間にでも、有意義を貪りたい。

望みは高く意思強く。

 

上空1万メートル。左手の窓、西の空。

雲海の向こうに、太陽が沈んでいった。それは毒々しいまでの赤とオレンジの残光を残して姿を隠し、次第に紅色たちも上から降って来た宇宙の色に飲みこまれていった。

あえなくも、夜が訪れる。無情にも明るさは消える。

太陽が残した赤と宇宙の黒が、僕のささやかな決意と怠惰に重なった。夜には光は勝てないらしい。

でも、朝はまた来るようである。

 

芽吹け、好奇心。咲き乱れろ、向学心。