徒然雑草

踏みつけられるほどに育つ

朝日

ここのところ3日くらい、酒と脂で夜と朝をつなぐような生活をしていた。家に帰ることもなしに、借りぐらしをアリエッティしていたのだった。

人それぞれ気質は違うのだろうが、僕にとって朝日をきちっと享受することと1人の時間というものが不可欠なものだったらしく、3日目の怠さやくたびれさは眼を見張るものがあった。自分の社交性にに殺されかけていた。

昨日、それこそ3日ぶりの1人の夜。

誰に干渉されるでもない時間を過ごし、眠り、外の明るさで起きた時の覚醒具合たるや、やはり眼を見張るものがあった。箱根の山道を登りきった五区のランナーの気持ちってこんな感じなんだろうか。マイナスがゼロに戻っただけなのに、猛烈に感じるプラス感。

 

たまらず走り出した。

 

一年ちょっと前、僕はよく走っていたのだった。毎朝会社行く前に3キロちょっと。当時、特別体調が良くなっていた感じはしないが、走るのをやめて飲み食いのサターンと化している今に比べりゃよほど健康体だったろう。確実に脇腹に肉がついた。

太り行くことは気に食わない。けど、しんどいことはしたくない。怠惰な気持ちを動かしたのは、圧倒的な気持ちよさだった。

旧居のように近くに公園があるわけじゃないが、少し行けば川にあたり、海に出る。道も調べないでとりあえず走った。鈍行ペースで。見栄を張らずに。

たどり着いた海辺。朝日に照る水面。久しく浴びていなかった光線に晒された。

 

過ぎたるは及ばざるがごとし。

過ぎたる方に目が向きがちだが、及ばざるが「ごとし」なのだから、本当のガンは及ばざることだ。

飲食が過ぎ、夜が過ぎ、運動が及ばず、朝が及んでいなかった。

一日でググッと整った気がする如月。しかし一方で、順調に予定がパズリングされていっている。自ら首を突っ込んだものに、首を突っ込まされたもの。どれも大切で、どれも楽しい。

身から錆を出さないよう、きちっとメンテをしようと、朝日に包まれながら思った。