盛り上がって参りましたカーリング。
女子の日本代表、LS北見。まさに我がふるさとのチームである。彼女らのメディカルトレーナーに高校生の頃大変お世話になっていたこともあって、全然他人事じゃない気持ちで観戦をしている。
話題になっているのが、方言だ。
カーリング中継の臨場感を伝えている選手たちの声。彼女らの同意の声「そだねー」が可愛いと。なんか気の抜けた話し方に癒されると。
そだねー。ねー。
北海道弁に、皆様からよく期待を受ける。南の端である沖縄が完全に独自の言語体系を築いてしまっているため、北の端にも同じような期待を懸けられているものと考えられる。しかし、北海道弁には沖縄のそれのような独自の単語は多くない。
だがしかし、イントネーションには十分な特徴がある。
北海道のイントネーションは、語尾がだらしない。よく言えば、ゆるい。
「そだねー」であれば、その特徴は、「ねー」の部分にある。「そだね」だと違う。「そだねー」であるから、北海道弁認定される。
他にも、「いっしょやー」という言葉を考えてみる。これも日常会話でよく出てくる。アクセントは「いっ」にくる。「クックパー」と同じ。
用法は、
「風邪ひいてるんだからお酒飲んじゃダメだって言ってるしょー。」
「いっしょやー。一杯くらい。」
みたいにして使う。意味としては、「別にいいじゃん」に等しい。
「いっしょやー」の元の言葉は「いいでしょ」だ。「いいでしょ」がつづまって、「いいしょ」になり、「いっしょ」に行き着く。ここまでは想像できるだろう。理解できる。しかし北海道の人たちは「いっしょ」までの変化では飽き足らず、「やー」を付着させた。この「やー」に北海道弁の緩さが滲みてでいる。
「いっしょ」だとキツい。拗音はスピード感を感じさせる。「スラッシュ」とか、「急所」とか、ビシッと止まる感じを受ける。だから、「やー」を付けて柔らかさを含ませているのだ。
「ねー」とか「やー」とか「かい」とか「さー」とか。
語尾のクッション言葉こそ、北海道弁を北海道弁たらしめている。
たくさんの地方から移民としてやってきて、根を張った。その子孫が今の北海道民たち。アイデンティティがぶつかることもあったろう。でも、一緒に冬を越そう。厳しい冬を協力して越えていこうと、角が立たせないように配慮を重ねた末の、語尾の柔らかさなのではなかろうか。
LS北見、準決勝進出が決まった。
世界の4強の舞台にに、地元の人間たちが立つ。頑張れ。