徒然雑草

踏みつけられるほどに育つ

大変健やかな休日です

本当に、大変健やかである。

去年、一昨年くらいまで、休日をどれだけ有意義に過ごせるかに腐心していた。早起きして、どこにいく訳でもない身支度を整え、洗濯して掃除して、いよいよ身辺が整ったらなんでもできる。本を読むもよし、音楽するもよし。それこそ有意義と考え、休日は判を押したようにそんなような生活をしていた。だが、今は昔となりつつあった。最近は掃除もせんと昼寝をし、起きては飯、寝て起きては飯。洗濯さえなんとかやっていたものの、部屋の隅に埃と髪の毛が組んず解れつしながら佇む。これはいかん、いかんとは思いながら、どうも腰は重く、頭も重く、しばらく前の自分がみたら消沈するような日々を過ごしていた。

さて、久方ぶりの休日である。特に目覚ましもセットせずに寝て起きたら7時。窓の外は晴れ。冷たく澄んだ空気。冬。体の中から何かが漲ってくるのがわかった。

飛び起き、とりあえず風呂に湯を張った。気合の湯浴みである。ガチガチに熱くした風呂に浸かり、眠気と煩悩とこれまでの不真面目な日々をリリースするとともに、健やかさとやる気をキャッチアップ。勢いで風呂の中を掃除する。午前7時半、とち狂ったかのように寝起きの全裸が風呂掃除をする様、鬼の如し。

心身と風呂場がさっぱりしたところで洗濯機を回す。シャツの襟が黒ずんでいた部分に関しては、なんと風呂掃除時にハイター漬け置きで処理済みである。寝起きの手際とは思えないレベルで漲っている。洗濯機回しながら髪を乾かし、服を着て辺りを見回す。ううん、散らかっている。なんとなく汚れている。

部屋が汚く見える主たる原因は、床に物が置いてあること・籠や入れ物に入っていない物が机の上に置いてあることだ。徹底的に是正する。捨てる。しまう。入れる。ある程度整ったところで上から掃除する。テーブルの上、テレビボード、テレビ、パソコン。順番に片付ける。迷ったら捨てる。逡巡すらもったいない。いらない何も捨ててしまおう。そうして床掃除に手をつける。マットの類も全部ひっくり返し、クイックル。クイックル。クイックル。コロコロ、コロコロ、コロコロ。髪の毛と埃の愛の巣を蹴散らし続け、フローリングは息を吹き返した。洗濯機が止まる。大快晴の空の下、洗濯物を干す。記録的に日当たりの悪い弊部屋であるが、風に当たっていればある程度服は乾く。しかし冬の風は気持ちがいい。換気だ、換気だ。薄着だろうがなんだろうが関係ない。寒い方が気合が入るというもので、漲りにも拍車がかかる。畳んであるだけのAmazonダンボールとかも今すぐゴミで出せる状態にし、いよいよ部屋が整ったのが9時前のことである。人間、やればできる。

さて、それから僕はコーヒー淹れながらパソコンで曲を作り、ピアノを弾き、iPhoneを買い替えるならいつがいいのかなどとベンチマークしながらコーヒーのお代わりをし、文章を書いている。なんという健やかさ。なんという理想の休日。

前の晩の酒に午前中を圧迫されるような休日は嘘だ。やはり休日は休日を生きなければならない。毎週やったら確実に疲れるのでうまく身をこなしていきたいとは思うが、今日、僕はすでに成功を手に入れた。

自由が転がっている。