徒然雑草

踏みつけられるほどに育つ

夜の代償として

僕はめっちゃ夜に弱い。はじまりの街から一歩出たところにほっつき歩いているスライムのほうが幾分か強いだろう。酒の場とか、カラオケとか、誰かがいたり盛り上がっている場のような、どうしようもなく起きていられる理由があれば、スライムはスライムベスくらいの強さになるが、基本、なんの変哲も無いスライムである。

映画を見たり、テレビを見たりして、ついつい遅くまで起きちゃった♡ってお話を方々から聞く。どうやら世の中ではヒトリノ夜ですら夜更かしをしてしまうことがあるらしい。そう少なくない頻度で。

確かに、夜は長い。しばらく起きていたところで朝は来ない。仮に底知れないモチベーションがあったなら、起きているのも不思議ではない。どうしてもサッカーが観たい、テニスが観たい、なんやかんや。でも、「ついついだらだら」とはなにか。燃えたぎるモチベーションはそこにない。かといって、明日が憂鬱で、寝たら明日が来てしまう恐怖で寝られないというわけでもない。ただ、何事もなく、寝ない。動機はなんなのか。睡眠があるではないか。


そういうわけで普段、やることなくなったら寝るのだけれど、一方でやることない幸せもめっちゃわかる。というかむしろ、なんでもできる時間を担保したい欲求はめっちゃ強い。

だから朝早く起きる。

夜早く寝て、朝出勤ギリギリまで睡眠を貪ったら僕だけの時間はどこあるというのか。仕事と食事と睡眠で1日の円グラフが埋められた生活の、どこに僕を見出すというのか。

おそらく巷の大人たちが夜に充当している自由時間を僕は朝に当てる。寝起きにスーパー気合入れて支度していつでも出られる状況まで持っていってから、YouTubeみたりピアノ弾いたりギター弾いたりする。夜の、あの、朝に追い立てられている感じがない自由時間はいいものである。何しろもう「起床」「朝の支度」というバラモスとゾーマかの如きボスキャラを倒してしまっているのだ。あとは「出社・業務」という神龍と闘い、なぶり殺されるのを待つのみなので気は軽い。余裕である。


ではまた、嬲られてきます。