ゴッドタンで即興ソングを披露し巷に知られるようになったという、眉村ちあき。その、メジャーファーストアルバム「めじゃめじゃもんじゃ」。
私事だが、最近iTunesStoreで2週間に1回程度、新しいアルバムを購入するようになった。同じ4000円なら、飲み会一回分の泡沫よりも、1枚のアルバムに資本を。特段飲み会の頻度が減ったわけでもないため、ただただ自らのお金をサクリファイスしているだけなのだが、なんだ、知らない曲に触れることは新鮮でいいことじゃないか。
そういうわけで、特に思い入れがあったわけではなく、雰囲気でポチっためじゃめじゃもんじゃ。まじでいいアルバムである。ここのところこれしか聞いていない。
16曲入。
早く熟した曲からとって出しました!みたいな、特にコンセプトに縛られるわけでもなく、多彩な曲が突っ込まれている。
息をするように曲を作っているのだろう。それは、才能とも言えるのかもしれない。曲を聴いて、その曲を自分の中に取り入れ、自分なりにアレンジして吐き出すのがとても上手い。
ポリシックスを聴いて作ったらしき、「奇跡・神の子・天才犬」
在日ファンクを聴いて作ったという、「荻窪選手権」
King Gnuの真似をしたと言っているものの、GOGO1178にも寄っている、「開国だ」
何か他のアーティストの要素を取り入れても、メロディを掴むセンスが圧倒的にいいから、先人の曲調に引きずられることなく、サビでは自分の曲に持っていく。音楽的体幹が抜群に強い。
「書き下ろし主題歌」もすごい
聴いていて楽しい。好きなことを全部やった様子がよくわかる。
ビヨビヨしたイントロからめっちゃ語感のいいラップ、転調してBメロで一回落ち着いてから、サビへの転調が熱い。半音上がる。ただシャープ一個つくだけなのに、高揚していく。サビのメロがまたキャッチーだ。メロディセンスは天性のものか。羨ましい。
ごちゃごちゃした曲もあれば、代表曲とされる「大丈夫」や「なんだっけ」では、天才と言われる自らの心境を赤裸々に綴る。思ったことを素直に言う強さを持っているのは素晴らしいと思う。とかく言葉の陰に隠してしまうものだ。
僕が何を語るより、聴いた方が早いと思うので、iTunes Storeで視聴してみたらいかがだろうか。一回の飲み会よりは間違いなくいい投資になると思う。
僕も、曲を作る端くれとして、瑞々しい気持ちになった。書きたい曲を書く。日々あった面白いこと、つまらないことを、ただただ、曲として昇華する。それだけでよかった時期が僕にもあった。社会人になり、薄給を砕いて小賢しい機材を揃え、曲も一定のクオリティでアウトプットできるようになった。けど、面倒くさい作業が発生することを学んでしまった手前、レコーディングへの敷居が高くなってしまって、曲作りにポジティブではなくなっている。
でもいいのだ、最初はギター一本、ピアノ一台である。そこで歌いたいことを歌えばいい。いい曲の切れ端ができたら、きっと一目散に曲を作り出すに違いない。
ともあれ、すごい熱量で曲を作っている人の紹介でした。