徒然雑草

踏みつけられるほどに育つ

扁桃炎になる

一昨日あたりから、どうも両の首のリンパが張っていて、熱を持ち、うなづくにも痛く、振り返るにも痛く、菱川師宣の見返り美人はリンパが健やかだからできたポーズだったのだと、浮世を離れたようなことを考えていた。痛いは痛いのでとにかく病院だと耳鼻科に向かい、問診触診、わずか3分のうちに、僕は扁桃炎と診断されていた。

扁桃腺が弱いとは、昔から言われていた。僕自身、大人になって病院にかかった際に扁桃腺が炎症を起こしていますねと医師から言われた記憶がなかったのだが、どうも親の言うことからすると、僕は扁桃腺が弱い人間らしい。基本的に体調不良の際は喉から順にやられるのだが、あの喉の痛みはすなわち扁桃腺の炎症なのだろうか。であれば、扁桃腺は確かに弱かろう。

しかし今回は喉の痛みはなく、ただ、首のリンパがえらく主張をした。扁桃腺が腫れて喉が痛くなるのならわかるが、喉の症状が一切なく、ただリンパだけが反応する扁桃炎もあるのだという。細菌と闘ってくれている。激戦の証として熱を持つものだから、目は潤み、鼻がつまるも、喉から上だけの話のようで、体温は至って平静。なんとか冷やそうとバンダナをスカーフのように使って保冷剤を首に巻こうとするのだが、気道とリンパの熱の折衷点を見つけるのがとにかく難しく、呼吸困難になっては緩め、緩めては熱を帯び、を、繰り返していた。ハリネズミのジレンマである。

 

幸い、抗生物質が功を奏したか、左のリンパの腫れが鳴りを潜めてきて、左側になら見返り可能の体となった。師宣のリクエストにも応えられそうだ。

執筆途中の浮世の絵に、明日もまた。