徒然雑草

踏みつけられるほどに育つ

今まさに新型コロナウイルスに感染している

12月半ば、4度目の接種をした日、僕はこれで一定の抗体を得たものと確信していた。周りを見渡しても、同年代の連中で真面目に4度も接種を行なっている人は少ない。副反応と後の健康との天秤を揺らした際、若者は重症化する可能性が低いとのことから、4度も打たずともいいと考える人が多いのだろう。

ただ、それでも3度目、4度目の接種をすることで、短期的な発症リスクを低減できることや、重症化リスクをさらに下げる効果が期待できることが、確からしい資料にあった。で、あれば。帰省するかもしれないし、安全と安心を踏まえて打とうではないかと考えたのがわずか一月前の話。

 

1月29日、朝起きたあたりから気管の肺側のあたりに違和感を感じた。生来扁桃腺が弱く、喉の口腔側が腫れることは慣れていたのだが、気管の奥の方の違和感はあまり心当たりがなかった。強いて言えば、かつて北海道で陸上競技に精を出していたころ、寒空の下で走り込みをした時の気管の違和感に似ていた。たまたま、その前日に辺りをちょろちょろと走っていた(いわゆるジョギングである)ので、その影響だろうとたかを括っていた。

しかし、これが紛うことなく、新型コロナウイルスの予兆であった。

その日の17時ごろには全身がなんとなく寒気を覚えだし、風呂に入るもその寒気は改善されることがなかった。仕事は休みたくない、事実を直視したくない、と体温計測に対しては忌避を決め込んだのだが、妻に説教をかまされ、落ち込みながら測った体温は38.0℃。体温は一切落ち込んでいなかった。戦いの幕開けである。

この時点ではまだ、明日の朝ケロッとしている可能性も考えられた。だが、常識的に考えて、今のご時世、前日に38.0℃の発熱をかましておいて、翌朝出勤することは御法度である。主観的にはやらなきゃならないことが山積みなのだが、懸命に自らを客観視し、翌日の休暇取得を決断、発熱外来の予約を実施した。

その夜は苦しかった。仕事のことが頭をよぎり続ける中で、寒気でろくに寝付けない。深夜に解熱剤を服んで、なんとか3時間ほど寝たものの、およそ片手の数では収まらないほどの悪夢を見た。

翌朝、36.9℃くらいまで熱が下がった瞬間もあり、これはただの風邪なのでは!?と糠期待などもしたが、病院に着く頃には38.0℃まで鰻登りをかまし、検査をしたら秒で陽性判定が出た。検査結果が出るまで15分くらいかかるかもって言ってたのに、よほど元気に陽性を示したのだろう。

 

脳裏には様々なことがよぎった。4度も真面目に副反応と膝を突き合わせて向き合い、くんず離れずの格闘を繰り広げたというのに、なぜこうもあっさり罹患するのか。あの苦しみ抜いた健康への先行投資はなんだったのか。1週間も外に出られないときた。仕事はどこまでどうやっつけていただろうか。誰に何をお願いすればよかろうか。はたしていつ頃熱は下がるのだろうか。

熱で動作不良になっている頭で各所に話をし、家に帰ってきた頃には妻も立派な濃厚接触者である。彼女にうつさず、この局面を打破できるだろうか。自らの体調だけでない戦いが本格的に始まった。

 

4度もワクチンを打ったといった。であるからして、よほど軽症で治まり、隔離期間を大いに持て余すようなことにもなろうかと、若干の期待をしていたのだが、目下罹患3日目、何もしなければ常に39℃台の発熱をきたし、喉の痛み、咳、止まることを知らない痰と鼻水、聞こえの悪くなった右耳と、軽症であるとはいえ、主観的にはシンプルに苦しい。幸い、頓服(カロナールとロキソプロフェンをもらっているが、ロキソプロフェンが1番効く)は効くのだが、一時的に効いたとて効き目が切れたら39℃に逆戻りである。寒気、筋肉痛が容赦なく押し寄せる、熱が上がるあの瞬間を頓服を服むたびに繰り返している。あまりにお決まりのパターンすぎて、頓服の使用を躊躇っている。今も39.3℃の熱があるが、安定して39度台に居座ることができれば、歯の根を鳴らすような事態は避けられるし、こうやって文章も書ける。対策として正しいのかはわからないが。

 

いつまで続くか体調不良。

幸い、妻は今のところ元気そうである。僕も、筆を取ればある程度雄弁だが、耳鼻咽喉の機能が軒並みハルマゲドンしているので、コミュニケーションをうまく取れないのがもどかしく、世話されっぱなしなのも心苦しい。

いつか必ず治るとは思うが、しっかりと苦しい。先が見えないような気がするのは、体調に起因するメンタルの落ち込みもあろう。

なんとか張り切っていきたいところである。