徒然雑草

踏みつけられるほどに育つ

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会津若松旅行まとめ

祭りの後の寂しさとは本当によく言ったものでだな、猛烈に切な寂しい夜を過ごしている午後9時ごろ。その寂しさの勢いに任せて書く。

 

昨日今日と会津を満喫した。一泊二日で満喫というのは相当おこがましいか。できる範囲で満喫した。これだな。

 

雪の東京駅を経て、一路北へ、福島へ。

郡山ではほぼ積もっていなかった雪も、会津に迫るトンネルをくぐるごとに深くなり、会津若松につくころには広大な大雪原の中を列車が進んでいた。暖かい北海道はこんな感じなんだろうなと思える風景と気温の会津若松に降りたのが午後一時過ぎ。

一にも二にも何に変えても腹ごしらえである。ソースかつ丼。これを食すモチベーションをどれだけ研ぎ澄ましてきたか。朝なんてほぼ食べてない。誘惑に負けて11時ごろに食べたピザまんはご愛嬌だ。かつ丼の神はケチケチした性格じゃない。信じてる。

会津名物のソースかつ丼とはどういったものか。

 

 

伝統会津ソースカツ丼の会

 

こういうものだ。

名店を知っていると豪語する友人に連れられ、市内循環バスが発達した会津の街をフリーパス片手に駆け回る。

暖かい北海道といっても、雪は降るし積る気候だ。寒くない訳じゃない。バス停から少しいったとこにあるというそのソースかつ丼屋が、バス停着から恋しい。暖を取りたい思いと、蠕動運動が始まって本格的にエマージェンシーを出してきた胃袋を満たしたい思いで、とにかく恋しい。白孔雀食堂というらしいその店は、ものすごい生活感とともに現れた。30年前からあるどっかの企業の社宅ですって言われても納得の建物。見た目に執着しない店の名店率は高い。そんな気がする。胸躍らせて戸を叩いたはいいものの、のれんが出ていなかった。まさかの品切れ次第閉店のそれにあたったらしい。この胃を、この寒さを、どうしてくれるんだ。行き場のない怒りは友人を越えて速く輸送してくれなかった循環バスとかJRとかに向きつつあった。くそう!くそう!

振り向いたら別のソースかつ丼屋が鎮座していた。どれだけの密度よと。激戦区かと。吸い込まれるように入った店は「めでたいや」。喜多方ラーメンからかつ丼から何でも食べられる会津独り占め食堂。大名ソースかつ丼というメニューが看板らしい。それで。全員それで。しかし一人の友人が異を唱えた。「俺ラーメンで。」かつ丼の雰囲気をぶち壊したかに見えたこの判断が英断だったことを着丼とともに知ることになる。

10分ほどで出てきたどんぶりは、子どもの肩幅ほどある巨大なものだった。ふたを開けると至ってでかいかつが二枚。下にキャベツ、底面にぎっしりごはん。空腹に任せてむさぼる。果てしなく美味い。ソースが染みたかつ、塩気と甘みを中和するキャベツに、ごはん。ワルツかと。軽やかかと。

キャッキャウフフな箸運びでニコニコスマイルタイムがしばらく続いたのち、冷静になる。多い。量が多い。なんてったって幼児の肩幅丼だ。胃袋を満たして有り余るだけのポテンシャルを有していた。

ご飯は残すな。何度刷り込まれてきたことか。自分の分だけではなく、ギブアップしそうなやつの分も救うのが食に対しての真摯な態度ではないか。戦いは手元の戦場だけでなく、他人の戦場にまで飛び火した。がしかし、火種が多すぎた。食しきれずにごちそうさまをした。

しかしソースかつ丼はうまかった。毎日はいらない。最後の晩餐にも、ならない。ただ最後から1週間分の献立を組み立てていいと言われたら名を連ねるであろう一品だった。

 

腹ごなしに歩いて鶴ヶ城へ。会津藩の城、戊辰戦争で激戦の地となった場所である。会津藩戊辰戦争といったら、白虎隊である。日本を代表する悲劇が巻き起こった原因も、鶴ヶ城にある。

美しく白く復元された場内を散策する。天守閣の中は博物館になっており、戊辰戦争の紹介がなされていた。白虎隊の物語は知ってはいたものの、実際に詳細を聞くとなんとも虚しいもので、これに関しては改めて書籍か何かでしっかりと追ってみたいなと感じた。きっと山ほどノベライズもされているし、評論も出ているだろう。白虎隊に関する細かい諸々はそちらに譲ります。

城内は寒かった。

 

くまなく歩き回って、宿へと向かう。

東山温泉という、土方歳三が逃亡中に立ち寄ったという温泉街の中の一軒、原瀧に宿泊。安いって予約したはずなのに、部屋は広いわ源泉かけ流しのパラダイスだわ露天からは滝が見えるわ飯はうまいわ。素敵な世界。晩飯時のてんぷらに使われている野菜当てクイズを吹っかけてきたおかみさんの気さくも際立っていた。間違えたときの、「なーに言ってんだこいつ」って目は、いけない何かに目覚めそうなそれだった。

友人が集まって温泉に入って部屋に戻ったらもう飲むしかない訳で。長い夜が始まった。簡単に朝につながった。空の日本酒、ウイスキー、ウォッカが散乱する夜が明けたばかりの部屋で、自分が果たしてこの空瓶にどれだけ貢献したかを考えたことは記憶に新しい。

なにしろ楽しい夜だった。酒は進むわな。きっと年をとってもずっと話題になる夜になったことは間違いない。

 

寝不足のまま朝食バイキング後朝風呂に入り、チェックアウト。飽きるまで住みたい旅館だった。大体そうか。

一路白虎隊の墓へ。飯盛山という山の中腹を目指す。二重らせん構造を用いて作られた、さざえ堂を観に行くのが最たる目的だった。DNAと一緒の構造だぁぁ!とかよくわからない高まりの下で見学を決定したのだが、何より堂内に記された無数の落書きの中から最古のものを探すゲームが白熱した。堂自体に目は向けられなかった。ごめんなさい。

さざえ堂から少し登ると、白虎隊の墓がある。なんか空気が張り詰めたような、時間がゆっくり流れているような、不思議な場所だった。悔しさとかがきっと渦巻いているのでしょうね。やっぱりこれは勉強しなきゃだめだわ。後日に回す。

 

下山後、慌ただしく昼食を食べ、慌ただしく帰路に着いた。

寝不足な割に元気だと思っていた体を着席させたら、やっぱり疲れているようで。思い思いの睡眠を享受しての帰路でしたとさ。

 

 

物凄く楽しみにしていた分、恐ろしく早く終わった今回の旅行。いい宿といい人に巡り合うことができた。観光地にいたおじちゃんおばちゃんたちとの出会いもきっとみんなでまた集まったら話に出ることでしょう。ソースかつ丼や飲み会、温泉のことなんか何度反芻しても消化したくない出来事です。

いやー終わったことが寂しい。

だがしかし、スペシャルマンスは終わらない。来週からはルーツ探しの一人旅が始まる。ドキドキだ。ワクワクだ。本気の寂しさは、このひと月が終わった時にとっておこうと思う。まだまだ楽しいことがある。追いつく限り書いていこうとも思う。暇がそれを許してくれる。

まだまだまだまだぁ!おらおらおらおらぁ!