徒然雑草

踏みつけられるほどに育つ

秋です

風も空もあともう一歩で木々も、秋めいてこようとしている。夏が長くて突如として冬になる最近の傾向からは離れ、至極一般的な日本の四季を感じられている。とても気持ちのいいものである。

暑くもなく寒くもない晴れた朝なんて、何に代えられるだろうか。ちょっとやそっとのおいしいご飯じゃ覆せない幸せが押し寄せてくる。ましてそれが休みの日だったりなんかしたらたまらない。何度も訪れたはずの休みだし、何度も繰り返した秋なのに。たったの15時間ほどで次の日が訪れて、あっという間に曇って仕事の日が巡ってくるかもしれないのに。その日その瞬間それからの一日に謎の希望が満ちている気になる。

 

予定がない日はいい。少なくとも僕は好きだ。予定ぎちぎちにしていたい人がたくさんいるのもわかるし、その心理もわからないでもない。ただ、性に合わないのだろう。息が詰まってしまう。二週間後の休日に飲み会の予定が二三個入っているだけで、せかされている気になる。

小学生でもないから、予定もなく突然電話して、遊ぼう!って声を掛ければ遊べるなんてことはほぼない。まして休日を一日使って遊ぶなんてそうそうない。だから、皆予定を立てる。互いのスケジュールをすり合わせて、この日に会おうと。

すると、その日の動きが完全に決まってしまう。「ある一日」が「その一日」にかわる。会いたくないわけでも、遊びたくないわけでもない。むしろ会いたいし遊びたい。しかし、予定のある朝に、突き抜けるような解放感はない。寝るもよし、出かけるもよし、誰かを掴まえるのもよし。あの解放感は予定がなければ生まれない。

 

とりあえず午前中は好きにギター弾いて歌って、昼頃に美味しそうなご飯を目指してどこぞの街へと出かけて散歩でもするかなぁ。

なんて考える秋の晴れた9時半がずっと続けばいい。心底そう思う。