英訳してしまえば、Hey,Tea.
伊藤園の大ヒット商品である。お弁当のお供に、会議のテーブルに。比較的どこにだって顔を出す優秀な清涼飲料だ。
万能清涼飲料水だからこそ、生活に溶け込んでいるからこそ気がつかなかったが、お〜いお茶という商品名を改めて見つめなおすと違和感を禁じえない。
呼びかけていることには間違いない。お〜い。お〜い。呼びかけ以外には使われない言葉だ。しかし、そのあとにお茶。
考えられる状況としてはふたつ。
お〜い。お茶入ったよ〜。と、誰かに呼びかけているパターン。これが一つ。
もう一つは、お〜い。とお茶に対して呼びかけているパターン。お茶とのコミュニケーションだ。お~い、お茶。美味しく育てよ。の、お~いお茶。
今、たった今、伊藤園のページで調べたところ、前者が正解らしい。
かつて「煎茶」というどストレートな名前の缶入りのお茶販売していた伊藤園。しかし世の中では当時「煎茶」の読みが固有名詞として浸透していなかった。誰もが親しめる商品名はないものか。そこで、1970年代からテレビCMで使われていたフレーズ、「お〜いお茶」をそのまま商品名にしたところ、定着したと。
小林製薬のネーミングセンスが飛びぬけている話はよくされる。「トイレその後に」なんて最たるものだろう。説明じゃないかと。用途の説明じゃないかと。
しかしお~いお茶もなかなか尖っている。しかも他の伊藤園製品の商品名がそこまで攻めていないことが、よりお~いお茶の異質さを助長している。強いて言えば「理想のトマト」くらいだろうか。