徒然雑草

踏みつけられるほどに育つ

「最も強い言葉で非難する」とは。

北朝鮮がミサイルをぶっ放したときによく聞く言い回しである、「最も強い言葉で非難する」。AともBとも言わず、具体的に非難したときに間違いなく生まれ得る齟齬を絶妙に躱した言い回しである。

「誠に遺憾である」も本当によく聞く。大臣に不明瞭なお金の動きがあった時の野党党首とかが、遺憾ランチャーを乱射する。文春がすっぱ抜いた翌々日あたりからの恒例行事である。しかし、この「誠に遺憾である」は、結構具体的に怒りを表明しているように思う。現代語風に書き下せば、「マジで無理」だろう。なかなか直接的な怒りの届け方だ。

対して「最も強い言葉で非難する」に関しては、非難の意を届けつつも、無理ともウザいともあんぽんたんとも言っていない。書き下すとどうなるだろう。「激おこ」あたりがいい雰囲気を醸し出しているんじゃないか。「これまで生きてきた中で3本の指に入るくらい憤っています」なんてどうだろう。怒っているけど、なんとなくオブラートに包んだような、肩透かしを食らわせているような。

よく外国のインタビューとかで、「彼は歴史上最も優れたバッターの1人だ」なんて言い回しを目にするが、「最も強い言葉で非難する」はそれに近い。「the best of ~」的言い回しである。ここのところ日本の政治家からよく聞くこの言い回しは、恐らくは海外の政治家が言っていたセリフを借用してきたものに違いない。日本語っぽくない違和感がそこにはある。


遅すぎた夏休みが終わり、会社がぽっかりと大口を開けて僕を飲み込まんとしている。僕が北海道に逃避している間もせっせと動き続けた企業。せっせと人を運び続けた電車。何一つ変わりなく動いている世の中である。僕も淡々と会社に向かおうじゃないか。あぁ、気が重い。休みすぎた。

最も強い力で避難したい。