徒然雑草

踏みつけられるほどに育つ

大富豪におけるスペードの3が好きだ

大富豪ほどローカルルールに彩られたトランプ遊びもあるまい。3が最弱、2が最強。あらゆる力争いから抜け出し、最強かつあらゆるカードの代用になれるジョーカー。この構図はどの地域も変わらないが、地域ごとに数字に特殊能力がつく。8切りはポピュラーである。8が出ると、それまでの流れを全て断ち切り、出した人から再度ゲームが始まる。葛飾柴又の矢切の渡しと関係があるのかはわからない。他にも、縛り・階段・革命・Jバック・10捨て・7渡しなど、有名無名かかわらず様々なルールが各地に散りばめられている。


不文律のように制定されていく大富豪のルールの中に、スペードの3というのがある。スペ3と、よく言う。

大富豪において最強のカードはジョーカーであるが、一枚ずつカードを捨てていく場面でジョーカーが出された場合、スペードの3を出すことでジョーカーを上回り、自分の番にすることができる。

スペードの3なんて普通にしてたら最弱のカードである。処理に困るカードである。手札における問題児が、万能天才カードのジョーカーにのみ絶大な力を発揮する。

この仕組みがたまらなく好きである。


強大な力を持った魔王。打倒を企てる勇者たち。魔王との戦いの中、勇者一行はボロボロになる。しかし容赦のない魔王は強烈な呪文で勇者たちを駆逐する。勇者は最後の力を振り絞り、はじまりの街で王様にもらった光の玉をかざす。魔王はその光に怯む。一瞬の隙をついて、全身の闘気を放つ最後の奥義、ギガインパクトを繰り出し、魔王と刺し違えるかのごとく勇者は平和を取り戻す。


この、「光の玉」的なスペードの3が僕は大好きです。