徒然雑草

踏みつけられるほどに育つ

キャッチに物申す

あ!次の居酒屋お決まりですかー?飲み放題朝まで1000円で出来ますよ!すぐそこのビルなんで。どうですか。予約してますか?あ、予約してますか。なんて店ですか?ビルどこかご案内しますよ!

こんなキャッチが多い。少なくとも、錦糸町には。どっかで飲んで、同じ錦糸町が最寄りの友人とノタノタ歩いていると、なんとなく遠くで目が合った人にはほぼ確実にこのようなセリフを投げかけられる。決まってるって言った後の、ビルまで付いてくる行為まで、殆どコピペの如く繰り返される。大体の場合殆ど予約してないことが多いから、なんとなくフラフラして撒く。

もはや、この手で捕まる人って最近あまりいないんじゃないかと思う。ゴキブリが殺虫剤に耐性を持つように進化するが如く、人間も甘く安い勧誘の声には寄っていかなくなるのではないか。Mr.Childrenも「掌」という楽曲の中で、こんな風に歌っている。

ステッカーにして貼られた本物の印

だけどそう主張しているほうが偽物に見える

キャッチの「安い」は、ステッカーにして貼られた本物の印と同義だ。


似たような違和感を感じるのは、洋服屋さんのショップ店員がする声掛けである。

いらっしゃいマセェェーーー。どうぞお立ち寄りくださいマセェェーーー。秋物の新作取り揃えておりマァァァース。どうぞご覧くださいマセェェーーー。

洋服をパタパタたたみながら、十中八九の鼻声で無味無臭のお安いセールストークを繰り返している。かといって、声掛けをしないとやる気あんのかって思ってしまう。不憫な立場である。


キャッチにしろアパレルショップ店員にしろ、もっとなんか斬新な切り口で客引きできないものだろうか。安さにフォーカスせず、何か他のことを売りにするキャッチがいてもいいのではないか。

うちの店の店員めっちゃ歌うまいのとめっちゃいい匂いするのがいるんですよ!ほんと、一回聴いてみてほしいし、一回嗅いでみてほしいんすよ!お酒は大体一杯500円くらいなんですけど、とにかく歌うまいしいい匂いなんで、ぜひ!ぜひ!

ただ安いアピールをするよりは行きたい気がする。ちょっと歌聴いてみたいなって思わせたら、きっと酔っ払いはついていく。他で盛り盛りくらいにセールストークぶちまけると、逆にお金の部分では正直なんだろうって安心感すら抱く。

アパレルも工夫の余地があろう。

さぁ!ここに並んだ何枚もの衣服、衣服、衣服!なんと全部新作!ね!どうですか通りすがりのお姉さん。あなたのスカート、何年目ですか!あら、行っちゃった。でもめげません。私、めげませんよ!だって、なんてったって、全部新作!

テンション一つだ。テンションだけで、なんでもできる。でもなんだ、こんなアパレルには行きたくないな。やっぱり。


さて、やっと電車を降りる。家路である。今日は何人に声をかけられるだろうか。