徒然雑草

踏みつけられるほどに育つ

大麻への毛嫌いは文化の所為よ

焼きたてジャパンという漫画があった。サンデーで連載されており、僕の少年時代をそこそこに彩った漫画の一つである。「太陽の手」なる、人よりも暖かい手を持つ少年、東和馬が、いかに美味しいパンを作るか勝負をし続ける料理バトル漫画だ。

その中で、大麻パンなるパンが出てきたことを、この度の高樹沙耶逮捕のニュースで思い出した。

確か、ジャパンで出てきた大麻は、大麻の種であり、大麻は種だと合法で食べられてしかも美味いだかスパイスになるだかで、作中の人物たちに衝撃を与えていた。僕も衝撃を受けた。


高樹沙耶という方を僕は知らないで生きてきて、今回の逮捕でハジメマシテをしたのだが、どうやら極端にオーガニックなナチュラリスト自然人だったようだ。自給自足で生きる。商売なんかしてしまっている僕らなんかとは対極にある存在だろう。

大麻所持で捕まったらしい。麻薬の急先鋒のイメージがある大麻。しかし彼女は兼ねてより、大麻は思うより依存性もないし、うまく使えば医療用として十分役に立つ代物であると訴えかけていた。そんな中での大麻所持。文脈に美しさすら感じる。


欧米では合法。だから日本でも認可を。

そんな主張をしていたらしき、高樹沙耶氏。なんとなくわかったようなわからないような論理である。いろいろ調べてみると、病気の関係で、大麻がなくて困っている人もどうやらいるらしい。そういう人たちからすると、見殺しにされているような気分なのだろうか。大麻を吸えないから。大麻を打てないから。

この「大麻」という響きに感じるザラつきは、きっと文化が為すものだろう。科学的に…という文言を超えた、日本人のDNAに刻み込まれてしまっている抗いようのない気持ち。もし、もしも、土足で家に上がることでガンになる確率が数倍も下がるという研究結果が出て、世界的には土足で家に上がるのが主流とされる中、日本人は突然土足で家に上がりだすだろうか。否。訝ってしまうだろう。それでもなお、靴を脱ぎ続けるだろう。


大麻を合法に。

この動きはきっと成就することはない気がする。あまりにも、あまりにも印象が悪すぎる。DNAレベルで。